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第361回6月度例会 活動風景 2016.6.4 |
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厚い雲に覆われた鉛色の空から絶え間なく雨が降り注いでいます.
気分まで滅入ってしまいそうですね.梅雨の真っ只中,皆様は如何お過ごしですか.
運動不足気味になるこの時期,天気の良い休日には散歩をしています.
いつものように川沿いの遊歩道を歩いていると,目の前では白鷺が目を輝かせ小魚を狙っています.
川の中では大きな鯉が群れを作って泳いでいますが,その中に頭が丸みをおびている魚が紛れ込んでいます.
どうもボラのようですが,海が近いせいでしょうか.
他にも川の中州では,数十匹の亀がまるで敷石を並べたかのように甲羅干しをしています.
大小様々な亀達がいますが,全て目の後ろが赤くなっているので興味がありネットで調べてみました.
すると,正式名はミシシッピアカミミガメという種類で別名ミドリ亀.
よく露店やペットショップで売られており,おそらく飼い主が飼えなくなって川に放流したものが繁殖したのではないでしょうか.
アカミミガメというくらいですから,赤いのは目ではなく耳だったのでしょう.
私が子供の頃は,亀といえばイシガメやクサガメでしたが,この亀の群れには見当たりません.
繁殖力の違いで縄張り争いに負けてしまったのでしょうね.
個人的には「日本の亀達,頑張って縄張りを取り戻せ」と応援したい気がしますが,現実は難しそうですね.
話は変わりますが,我々の行っているバリウム検査にも内視鏡検査というライバルが存在します.
あと何十年もすれば,「胃の検査って昔はバリウムとかいう鉱物を飲んで行っていたんだ」と言われているかも知れません.
そうならない為にも我々は,今頑張らなければなりません.
幸い私たちの周りには「ガメラ」のように強い先輩諸氏がおられますから心強いです.
それでは6月例会のスタートです.
今回の参加者は 55 名です。
プログラム1 第1症例検討
桑原幹事が司会を担当し,山田(哲)会員が読影を担当しました.
今回は新しい試みとして事前に読影者に症例写真を見てもらったそうです.
山田:病変は,胃体上部から中部後壁大彎寄りに存在する隆起+陥凹性病変であり,前壁には及んでいないと思う.
陥凹は深く境界は明瞭,周りの隆起は高く立ち上がりは急峻.
大きさは50×50mm位,ひだの集中は分からない.
隆起部分は,圧迫でも形に変化がなく硬いと思う.
側面変形もあり3型の進行癌とする.
西戸:病変は,大彎後壁寄りにあり一部前壁側にもかかっているのではないか.
陥凹の形は不整で隆起はなだらかな立ち上がり.
圧迫写真で陥凹の大きさは30×25mmと広くとる.
同じく3型の進行癌で深達度はSS以深.
井上(啓):圧迫で陥凹及び隆起の形が変化しており柔らかいと考える.
大彎側は硬い印象だが,やはり圧迫で形が変化しておりひだはbridging foldを形成している.
また前庭部小彎部にも抜け像が見られ,複数の箇所に変化が見られることを考慮して悪性リンパ腫を考える.
小川:井上(啓)同様,隆起表面の粘膜模様と小彎側の正常粘膜は同じであり非上皮性病変を考える.
多彩で柔らかい病変であることより,やはり悪性リンパ腫と読影する.
結果はMPにまで浸潤する分化型の進行癌であった.
詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.
プログラム2 前回第二症例レポート報告
山田(淳)会員がレポートを作成し,説明を行いました.
レポート執筆は期限ギリギリまでかかり,印刷・製本は当日の朝に行ったとの事.
しかしさすがにベテラン,説明は立て板に水という感じで皆,聞き入っていました.
今回は期間が3週間しかなかったにも関わらず,前回議論となった硬さについても詳細に記載されていました.
ご苦労様でした.
Coffee break(あれこれQ&A)
「深達度の読み方1−空気量の変化編」
藤本幹事が担当しました.
空気量の変化編と題してそのメリット,デメリット,変化させるタイミングについて説明されました.
要するに空気量を変化させることにより病変の大きさの変化をみるわけですが,メリットは圧迫できない部位でもOKである点.
デメリットは検診施設では頻繁な空気量の調整は難しく,圧迫撮影終了後の空気が抜けたタイミングで撮影すると良いと述べられました.
その後空気量を変化させた症例写真を提示し,より実践的に解説されました.
プログラム3 Lecture & Discussion
『基準撮影法で圧迫(前壁を含む)に拘る』
愛知消化器撮影技術研究会世話人代表 石黒徹也先生にお越し頂きレクチャーを賜りました.
撮影装置の設定については,ソフトウェアの調整,ハードウエアの工夫等につて詳しく説明されました.
また,タイトル通り圧迫枕について空気枕を用いた腹臥位二重造影,腹臥位圧迫について実践的にご解説頂きました.
これからも切磋琢磨してお互いを高めあいましょう.
詳しくは限定ページをご覧ください.
詳しくは<限定ページ>をご覧下さい.
プログラム4 第2症例検討
田中幹事が司会を担当しました.
三浦幹事,北野会員が指名されました.
基準撮影法1で撮影された写真が提示され,病変のチェックから始まりました.
三浦:前庭部から幽門前部の膨らみが悪く,はっきりしないが幽門前部の小彎部をチェック.
前壁写真で胃角部中央に顆粒様陰影が見られるのでこちらもチェック.
北野:胃体部から前庭部までの粘膜模様がマスクメロンのようである.
前壁写真で前庭部の膨らみが悪いが,明らかな病変としてチェック出来る所はない.
小川:右側臥位像で噴門下部後壁にハジキ像が見られるので,病変の存在を疑いチェックする.
米谷:胃角部前壁中央の顆粒状陰影をIIc面の変化ととらえ,病変の存在を疑う.
井上(啓):胃体中部前壁に小顆粒陰影,噴門下部後壁にバリウムが溜まったような所見がありチェックする.
追加撮影での読影
北野:胃角前壁中央に陥凹性病変がある.
30mm位の瓢箪型で,深さは浅く大小不同の顆粒が見られる.
辺縁はギザギザしていて小彎側にヒゲ状の飛び出しが見られる.
ひだ集中もあり,大彎側のひだ先端には中断がある.
三浦:範囲は北野とほとんど同じだが,小彎側の顆粒様隆起まで含まれるのでやや大きくなる.
陥凹は浅く大小不同の顆粒があり,辺縁もギザギザしている.
未分化型のIIc型早期癌,深達度SMと思う.
宮崎:口側の範囲をもっと広くとる.未分化型のIIc型早期癌,粗大顆粒の部分でSM.
能瀬:宮崎よりもさらに小彎側を広くとり,小彎ぎりぎりまでの範囲とする.
IIc型早期癌の未分化型,中心部に大きな顆粒があり深達度はSM2と考える.
北野:範囲を能瀬と同じに変更しIIc型早期癌,深達度M,未分化型.
岩瀬:北野の最初に指摘した範囲でIIc型早期癌.
結果は岩瀬の指摘した範囲のIIc型早期癌,深達度M,未分化型であった.
詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.
(記:福本 弘幸)
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