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第369回2月度例会 活動風景  2017.2.4

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節分,立春も過ぎましたが,全国各地からは大雪の便りも届き,まだまだ寒い日が続きます.
インフルエンザの蔓延が示唆されていますが,皆様方はいかがお過ごしですか?

アメリカではトランプ大統領が就任し,多くの大統領令が発令されました.
なかでも難民の人々,中東及びアフリカの7か国の国民の入国を一時禁止した大統領令が多くの人々の反発を呼んでいます.
自由の国,アメリカンドリームの国は,一体何処へ向かおうとしているのでしょう.
そうはいってもさすがアメリカ,連邦地裁が大統領令の一時停止の申し立てを認め,政権側は連邦最高裁への上告を断念したようです.
まだまだ問題は尾を引きそうですが,相変わらずアメリカンファーストは続く見通しです.
国が二分するような争いにならないことを願いたいものです.

さあそれでは研究会のスタートです.
当研究会のドアはどなたにも開放されています.
多くの方々の参加をお待ちしております.

今回の参加者は 74 名です。



プログラム1 第1症例検討

白波瀬幹事が司会を,井上(啓)会員と札幌からお越し頂いた市原先生が読影を担当しました.

全フィルムでの読影

井上(啓):胃外性病変はないが,やや瀑状胃気味で胃角の線が厚い.
幽門前部の小彎をはさんだ前後壁に,ひだ集中を伴う陥凹性病変がある.
腹臥位圧迫では管腔がやや狭窄化しており,深い陥凹の内面に顆粒様所見を認める.
立位圧迫でも陥凹底に透亮像があり,周りに周堤様のヌケを認める.
背臥位の写真で胃角部〜前庭部の後壁小彎寄りにもバリウムの付着異常や粗造な粘膜面が見られる.
これらは一連の病変と考える.

市原:幽門前部を圧迫した写真で透亮像があり,粘膜下に厚みのある病変を認める.
胃角には線の異常とバリウムの付着ムラがある.
病変は幽門前部と胃角部の2箇所である.

井上(啓):大きさは40×30mm.
悪性の病変で幽門輪までは及んでいない.
硬さがあり3型の進行癌であるが,随伴してIIcもしくはIIbが胃角部まで続いている.
陥凹境界が明瞭であり,未分化型の癌と思う.分化型ならばもっと周囲の隆起が目立つのではないか.
白黒反転した写真のほうが,随伴した部分の粘膜変化がよく分かる.

市原:立位充盈像では,幽門前部に進行癌を示唆するほどの変形はない.
一見すると進行癌と読みたくなるが,周堤様隆起の不整は強くなく深達度は浅いのではないか.
当初は2つの病変としたが,井上(啓)の提示した反転写真を見ると1つの病変と考える.
背景粘膜より分化型の癌と考える.
幽門前部の深達度はSM程度,胃角部〜前庭部の方が深く見えるのでSM〜MPとする.
1年後の写真

井上(啓):病変が縮小し,辺縁がスムーズになっている.
これを先に見ると進行癌はない.

市原:幽門前部は1年前の写真で深達度が浅い病変としたが,矛盾しないのではないか.
出題者のボルタレン常用患者であるとのコメントに対し,前庭部小彎の複線化は薬剤性潰瘍の所見に矛盾しない.

結果:多発胃潰瘍瘢痕

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 第2症例検討

今回は特別企画として,特別講演講師の高橋伸之先生に症例を持参頂き,司会もお願いしました.
精査X線検査の症例で,読影者には稲葉会員と丹羽幹事が指名されました.

稲葉:腹臥位二重造影第2斜位で胃体下部〜胃角部前壁小彎寄りにひだ集中像が見られる.
中心部にバリウムの溜まりがあり,陥凹性病変と思う.
集中するひだの先端には癒合,太まりが見られ,一部に細まり所見もある.

丹羽:追加する所見として不整形な陥凹であり,内面には顆粒様所見や無構造な部分が混在し,深さも不均一である.
ひだ先端の所見には中断もあり,病変の範囲はひだが変化している部分とする.
深い陥凹の周りに透亮像が見られ,粘膜下に厚みのある病変と捉え進行癌とする.
陥凹境界が明瞭なので,組織型は未分化型癌か.

西戸:確かに粘膜下の厚みはあるが,強い圧迫では分からなくなるので硬さを感じない.
強い圧迫で陥凹が残っていれば進行癌でも良いと思うが,この程度ならSMとする.

吉本:ひだの変化を取れば病変の範囲はもっと広いと思う.深達度は同じくSM.

結果:潰瘍合併により,広範な線維化を伴っているが,癌の浸潤はほとんどがMで一部SM2であった.
M,Ant,Type 0-IIc+III,52×40 mm,por-sig>>tub2,pT1b2(SM2表層から1800 μm),int,INFb,ly1,v0,pN0(0/81),Stage IA,background: mild atrophic fundic gland mucosa

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.



プログラム3 前回第2症例の報告

北野会員が説明を行いました.
意見の分かれた病変の存在部位と範囲,深達度についてマクロ像とX線写真を対比し詳しく説明されました.
一カ月間,ご苦労様でした.



Coffee break(あれこれQ&A)


「残胃の撮影1」
基本としてバリウムは一気に全量を飲ませずに,数回に分けて行う.
飲み方は,口に含ませ半立位にして飲んでもらう.
男性の高齢者は,特に誤嚥に対する注意が必要.
Billroth-I法では,噴門部〜小彎縫合部が癌の好発部位であり注意が必要である.
Billroth-II法では,輸入脚を描出する事が大事.
吻合部は癌再発の好発部位であり,過伸展気味で撮影しなければ吻合部が見えない.
以上,撮影を行う上でのチェックポイントにつき説明されました.




プログラム4 特別講演

 「良悪性判定導入20年の評価と適中度に及ぼす追加撮影の効果」

船員保険北海道健康管理センター診療検査部放射線科技師長である,高橋伸之先生による特別講演の始まりです.

平成5年度より,ご施設で良悪性度判定を取り入れた技師読影をはじめられたとの事です.
カテゴリー設定を1〜5までに分類し3(3a,3bを含む)〜5を精検該当とされています.
当初,精検受診率は低かったそうですが,様々な取り組みにより高危険群の精検受診率が90%まで向上したそうです.
これに伴い全体成績にも効果が表れ,癌発見率,早期癌割合とも年々上昇傾向が見られました.
早期癌におけるカテゴリー4,5といった高危険群の割合も当初は高くなかったそうですが,施設内健診だけではなく巡回健診も有資格が読影することにより,成績が向上したそうです.

これらの背景には,撮影者が読影者の目で適切な追加撮影を行っていることを挙げられていました.
以上,様々な評価データから良悪性判定を導入した取り組みは大変有効であると結論付けられました.



(記:福本 弘幸)

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