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第367回12月度例会 活動風景  2016.12.3

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12月に入り大阪でも寒さが身にしみるようになりました。
街路樹の銀杏の葉も黄金色に染まり、風に吹かれ散り始めました。
ようやく冬本番の訪れです。皆様方はいかがお過ごしですか。

今年の流行語大賞は、広島カープをセリーグ優勝に導いた緒方監督の「神ってる」となりました。
今年最も「神ってる」と思われるのは、アメリカ大統領選挙でのトランプ氏の勝利ではないでしょうか?
日本に対して最も影響力のある国の大統領です。これから日本にどんな影響があるのでしょう。
今迄通り、良い関係が続く事を望みたいと思います。

一方隣国の韓国では、朴槿恵大統領の弾劾訴追案が可決され職務停止となりました。
これから憲法裁判所が弾劾するかどうかの判断を下すとの事です。
どちらにしても国の混乱が心配されます。
それにしても韓国民が100万人以上集まる集会は凄いですね。
しかも毎週末行われたのですから…。
国民性の違いかもしれませんが、我々も見習わなくてはならない所がある気がします。
皆様はどう考えられますか?

それはさておき、我々は研究会を頑張りましょう。100万人とは言わずとも100人位の参加者が欲しいものです。

今回の参加者は 43 名です。



プログラム1 第1症例検討

藤本幹事が司会を担当し、拜原会員が読影者に指名されました。

追加撮影を除いた検診時のルーチン写真で読影が始まりました。
背景粘膜の読影より、胃角部あたりまで若干の萎縮が見られます。
腹臥位二重造影にて胃体中部前壁中央にひだ集中様の所見、立位二重造影第1斜位で胃体上部前壁にひだの中断、 幽門前部後壁大彎寄りにバリウムの付着ムラを認めます。
よって以上の三か所をチェックします。

追加撮影の読影

幽門前部、胃体上部には病変はありません。

病変は、胃体中部前壁中央にひだ集中を伴う陥凹性病変があります。 陥凹の形は不整形で、深い部分と浅い部分のある二段階構造になっています。
底部には顆粒が数個見られ、深い部分の境界は明瞭で断崖状、口側のひだ先端には接合所見を認めます。
病変の大きさは約20×20mm。
圧迫で深い部分は残るが浅い部分は分からなくなるので、浅い部分はIIcというよりIIb様と考えます。
ひだ接合部は常に抜けており、この部分で粘膜下に入っているのではないでしょうか。
IIc+III型早期癌、深達度はほぼMだがひだの接合部でSM。
組織型は、病変の存在部位と鋸歯状の辺縁より未分化型とします。

小川:深いとする陥凹に飛び出し様の所見を認めるのでIIc型早期癌、分化型、深達度はMとします。

田中:全周にわたって陥凹辺縁に蚕食像などの不整はなく、集中点も二カ所に見られる。
よって良性潰瘍と考える。

結果:良性潰瘍

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 前回第2症例の説明

末廣会員が報告を行いました。
悪性リンパ腫の意見が出されたために上皮性と非上皮性の判定について、さらに意見の分かれた組織型と深達度について詳しく書かれています。 一か月ご苦労様でした。



Coffee break(あれこれQ&A)


「瀑状胃の撮影法2 前庭部編」
三浦幹事が担当しました。

前庭部が背側に屈曲している場合の対処法(立位で補正)や枕を用いた胃形の矯正方法について解説されました。

枕の挿入位置:心窩部
枕の挿入方向:立位に近い状態で右側から挿入するとうまくゆくことが多い
枕の大きさや形は体格や胃形によって変える
逆傾斜の角度は年齢、身体状態を考慮する




プログラム3 Lecture & Discussion

「症例報告」
田中副会長が担当しました。

悪性リンパ腫を主に様々な症例を提示し、参加者に読影してもらいながら説明しました。
悪性リンパ腫の分類など大変勉強になりました。


プログラム4 第2症例検討

西戸副会長が司会を担当しました。
読影にはベテランの佐藤会員と井上(啓)会員が指名されました。

最初に発見2年前の写真されましたが、病変の指摘は困難でした。
続いて発見年の検診写真が提示され、読影が始まりました。

佐藤:背景粘膜は、胃体下部から前庭部にかけての胃小区が細かくなっており、萎縮が進んでいると考えます。
胃体中部から下部前壁やや小彎寄りに不整形な陥凹性病変を認めます。
大きさは30×20mm程度。陥凹にはやや深い部分と内面に隆起した部分があり、肛門側のひだには膨らみが見られます。
背臥位の写真で小彎線に直線化が見られ、病変は後壁にも及んでいると思います。
随所に粘膜下由来の隆起を思わせる所見があり、悪性リンパ腫と考えます。

井上(啓):ひだ集中のある浅い陥凹性病変で、形は陥凹の中心に向かって内に凸状。
大きさ30×15mm。辺縁にはヒゲ状の飛び出しがあり、陥凹内になだらかな立ち上がりを有する隆起を認めます。
小彎線に変形があり硬さがあると思います。
以上よりIIc型早期癌、深達度はSM。

細見:井上(啓)と同意見ですが、陥凹底の盛り上がりが側面像の変形位置と一致しないので深達度はM。

柏木:浅い陥凹の周囲に隆起が多発しており、MALTリンパ腫と考えます。

結果:深達度SSに達する未分化型の進行癌でした。
詳細については札幌厚生病院の市原真先生による病理所見の解説のある限定ページをご覧ください。

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.


(記:福本 弘幸)

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