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第358回3月度例会 活動風景  2016.3.5

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日増しに春めいてまいりましたが,皆様いかがお過ごしですか.
先日,インターネットで「大手企業の人事担当者が,面接であえて変な質問をする」理由を知って,なるほど!と感心しました.

それは,就活生が「変な質問をされた」とSNSに投稿していないかチェックする為だそうです.
どれだけ優秀な人材であろうと,個人情報をSNSに安易に投稿してしまう人は,要注意人物と判断するとの事です.
社員やアルバイトによるツイッター等への軽率な投稿から,会社としては謝罪だけに留まらず,閉鎖や休業へと発展するケースもめずらしくないそうです.

従業員の情報セキュリティのモラルを高める教育をすることが必須な時代になってきました.
SNSは非常に便利なツールではありますが,情報漏洩事故や炎上トラブルのリスクを十分理解したうえで使用していかないとダメですね.

それでは情報漏洩に注意しつつ,有益な情報満載でお送りいたします.

今回の参加者は 50 名です。



プログラム1 第1症例検討

佐久間幹事が司会,末廣会員が読影を担当しました.

発見前年ルーチン検査

末廣:胃体中部前壁小彎寄りに数個の小隆起を認める.辺縁や表面に不整な所見を認めず良性ポリープを疑う.

田中:胃体中部前壁やや大彎寄りに,ひだ集中を伴う陥凹性病変を認める.ひだの中断があり,陥凹内面には顆粒状陰影を認めるので癌を疑う.

発見年精密検査

末廣:前年写真で田中が指摘した部位に,20mm前後の類円形でギザギザした断崖状の辺縁を持つ陥凹を認める.陥凹内面には3?5個の大小不揃いの顆粒を認め,空気量の変化に応じて大きさが変わることより硬さのない病変としながらも,集中するひだの先端には癒合や太まりを認め,陥凹周囲は全周でやや盛り上がっている.
以上より未分化型のIIc型早期癌ではあるが,深達度は不明と読影した.

田中:陥凹の範囲は末廣より肛門側にやや広く取る.
集中するひだ先端に癒合はないが太まりがあり,陥凹周囲の隆起までを病変の範囲と考える.
陥凹内面には顆粒を認め,空気量の変化でも硬さが見られない為,未分化型のIIc型早期癌,深達度は陥凹部分でM,ひだの太まった部分でSMに浸潤していると読影した.

結果:U, ant, Type 0-IIc, 20×18mm, sig > por2, pT1b2(SM2), INFb, ly0, v0, pDM0, pPM0

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 製品情報提供

堀井薬品工業株式会社の田中利典氏より「(集)硫酸バリウム酸97.5%(ホリイ)について」という演題で新製品のバリウムについて説明がありました.
従来のバリコンミールと硫酸バリウム散98.8%「ホリイ」のちょうど中間にあたる製品で,胃内でもバリウム粘度が変化し難い添加剤を使用しているそうです.
また,当該製剤を用いた多くの胃X線写真が提示され,粘膜面やひだ走行の描出具合について解説されました.



Coffee break(あれこれQ&A)

「正常異形」というテーマで三浦幹事が担当しました.
正常とは定型である事,異常とは正常以外の事, 正常異形とは胃病変とは関係のない形の異常で,粘膜面に病変が何もないことと定義されました.
具体的には病変のない牛角胃,瀑状胃は全て正常異形との事です.
その他,正常異形と対比して病変による胃の変形(異常異形)写真も提示し,その成り立ちについても解説されました.



プログラム3 Lecture & Discussion

「大腸X線検査の読影と使用薬剤について」として,田中副会長からレクチャーがありました.
ガストログラフィンの仕様説明と使用上の注意点から始まり,注腸検査の読影方法,胃を含めた症例検討,CTCの検査説明等多岐にわたる内容でした.注腸写真の読影は初めての方も多く,参加者も興味津々で読影されていました.
詳しくは<限定ページ>をご覧下さい.



プログラム4 第2症例検討

米谷幹事が司会,西戸副会長と佐藤会員が読影を担当しました.

西戸:噴門〜噴門下部の小彎後壁寄りに直径30mm前後の類円形の隆起+陥凹性病変を認める.
陥凹の辺縁は不整な断崖状で,陥凹内面にバリウムの付着ムラのような模様を認めるが明らかな顆粒はない.
ひだ集中はなく,陥凹周囲全周にわたって立ち上がりのなだらかな低い隆起がある.
病変の側面像で軽度の壁変形を認め,陥凹の深さも加味すると病変部の胃壁に少し厚みがあるように感じられる.
又,食道壁の硬化所見と輪郭の滲みより病変は食道にも浸潤していると思う.
分化型のIIa+IIc型早期癌,深達度SM2と読影した.

佐藤:西戸とほぼ同様で,陥凹内面に若干の凹凸変化を認めるのと,側面変形で直線化がある事からやや硬い病変だと考える.
噴門近辺の病変でバリウムが溜まりにくい割には陥凹をしっかりと認識できることを考慮し,分化型のIIa+IIc型,深達度MPの進行癌と読影,食道にも20mm程度浸潤しているとした.

井上啓:食道には浸潤しているが,10mm程度と考える.
病変部の側面像で進行癌ほどの硬さはないが,陥凹が深いためSM浸潤を疑う.
陥凹周囲の隆起は炎症性の変化と捉え病変には含まない.
分化型のIIc型早期癌,深達度SM2と読影した.

柏木:食道内に見られる胃粘膜(バレット食道)まで粘膜下浸潤している.
側面変形はあまり強くないが,陥凹が深く食道浸潤していることから3型進行癌を疑う.

結果:U, post, Type 0-IIc, 22×13mm, por>sig>tub1 tub2, pT1b2(SM2, depth 1100μm), int, INFb, ly1, v0, pN0, pDM0 (7mm), pPM0 (180mm)

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.



(記:細見 聡)

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