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第357回2月度例会 活動風景  2016.2.6

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節分が過ぎ,春一番も吹き暦の上ではもう春です.
ようやく暖かくなってきたかと思ったら,急に寒さが戻ってきたりしてまだまだ安心できません.
巷では,インフルエンザも蔓延しているようなので皆様,体調管理には充分お気をつけ下さい.

話は変わりますが,私は通勤のために駅まで自転車を利用しています.
少し早めに家を出て,川沿いの道を走りながら川面を観察しているのですが,冬になると鴨が多く見られるようになります.
10数羽の群れが,頭を水の中に入れプランクトンでも食べているのでしょうか?
隣には,鷺が水の上にじっとたたずみ小魚を狙っている様子も観察出来ます.
ふと視線を変えると,なんとその近くにカラスが水の中に佇んでいました. まるで鷺のまねをして小魚を取ろうとしているように見えました.
思わずお前は水鳥じゃあないぞ!行水でもしているのか?と突っ込んでしまいました.
そんな言葉が聞こえたかのように,カラスは私の方を振り向いた後で何処へともなく飛び去って行きました.
人間の言葉を話せたら,「私はカラスじゃありません!黒いカモメです」とでも言いたかったのではないでしょうか.
芸達者でユニークなカラスでと出会えたので,この日は一日中楽しく過ごせました.
我々も芸ではなく胃透視の腕を磨きましょう.

それでは研究会のスタートです.

今回の参加者は 71 名です。



プログラム1 第1症例検討

白波瀬幹事が司会を担当しました.
荒田会員が読影者に指名されました.

立位充盈像のチェック

荒田:胃外性病変はなく,バランスも悪くない.
胃角の変形を3番でチェック.
他にチェックする部位はない.

田中:胃体中部にひだ集中様所見を認め,2番あるいは2´でチェック.
胃角にも変形が見られ1〜2番でチェック.
胃体上部小彎寄りにビランが多発している.

全フィルムの読影

荒田:胃体中部後壁小彎寄りに陥凹性病変を認める.
不整形な陥凹で大きさ30×20mm.
小彎側辺縁はギザギザしており圧迫写真からやや深い印象.
底部には3個の顆粒があり,周囲にひだ集中をともなっている.
又,その先端には中断も見られる.
側面像で明らかな壁変形はないが,圧迫像で小彎側にヌケがあり部分的に硬いと思う.
未分化型のIIc型早期癌,圧迫のヌケ部分でSMに浸潤していると思う.

田中:荒田の指摘した陥凹の範囲よりも口側に浅い陥凹が広がっている.
大彎側からのひだが急に内側に屈曲しており,その部分までを病変の範囲とする.
深達度MPの3型進行癌と考える.

能瀬:陥凹の形は汚いが辺縁はクリアー.
集中するひだの先端に悪性所見がなく,良性潰瘍と思う.

結果:M, Post, Type 0-IIc(+III), sig, pT1a(M), ly0, v0, pN0(0/32), pPM0, pDM0

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 前回第2症例の説明

病変範囲の同定が読影者によりまちまちな症例でした.
レポーターの吉川会員は,X線写真とマクロ標本を対比させ,詳細な範囲を同定をし撮影法についてもふれています.
一か月間ご苦労様でした.
また吉川会員に代わって会場で説明を行った細見幹事もお疲れ様でした.



Coffee break(あれこれQ&A)

坂本幹事が担当し,大彎病変ついて説明が行われました.
大彎に伸展不良のある写真では,スキルスを疑う必要がある.
このような時は空気大量の写真が必須となるので,面倒くさがらずに発泡剤を追加投与すること.
さらに病変部の口側と肛門側の広がりを見るために,周囲を含めた写真を撮ることの必要性を強調されました.



プログラム3 特別講演
『胃X線撮影法ルーチン撮影から精密検査まで』

育和会記念病院の小豆 誠先生による特別講演が始まりました.


まず最初は基準撮影法の紹介でした. 「音声入りの動画で解説します」とおっしゃったので,てっきり動画に音声が録音されていると思ったら,まさかの肉声による検査の再現….
度肝を抜かれましたが,まるで撮影室にいるような臨場感でした.

任意撮影体位として左側臥位二重造影,立位二重造影正面位(上部),透視台を倒しながら撮影する前庭部?幽門前部の背臥位二重造影第1斜位が紹介されました.
又,追加撮影についてもくわしく説明が行われ,体位変換後素早く撮影する事によりバリウム付着の良い写真が撮影できることを実際の写真を用いて検証されました.

後半には精密検査について述べられ,普段なかなか聞く機会のない具体的な病変描出の手順をお聞きすることができました.
動画を用いた胃の洗浄や撮影風景は,間近で検査を見学しているのではないかと錯覚してしまうほどでした.
早速明日からの検査に生かせると考えたのは筆者だけでしょうか.

楽しく役に立つご講演を賜り小豆先生,本当に有難うございました.
詳しい内容は会誌52号の見聞録をご覧ください.



(記:福本 弘幸)

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