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第351回8月度例会 活動風景  2014.8.1

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挨拶の言葉がおはようございますよりも「今日も暑いですね」「もう死にそうですよ」と変わるくらいの猛暑日が連日続きます。
京都では気温が39℃を超え、岐阜県の多治見市では更に高い気温になったとか。
首都圏では、猛暑日の連続日数が観測史上の新記録を記録したとの報道が続きます。
同じ新記録ならば、現在行われている世界水泳大会の日本選手の新記録にしてほしいものです。
この暑さの中、一週間に一万人以上の方が熱中症で救急搬送されたそうです。皆様も体調管理にはくれぐれもお気をつけ下さい。

話は変わりますが、最近目を覚ますのに目覚まし時計ではなく蝉の鳴き声で目覚める事が多くなりました。
玄関のドアを開けますと、まさに騒音と言いたくなる鳴き声です。
鳴き声のする川沿いの木の下には遊歩道があるのですが、ここを散歩すると蝉の死骸やまだ微かに動いている蝉たちを見つけることができます。
何年も土の中で幼虫として暮らし、やっと成虫となって羽ばたいてもわずか10日足らずの命。
子孫を残すために必死に鳴いて雌を呼ぶ姿を思い浮かべると、今しばらく騒音は我慢する事にします。

我々も暑さに負けずに頑張りましょう。例会後には冷たいビールが待っています。
それでは研究会のスタートです。

今回の参加者は 68 名です。



プログラム1 第1症例検討

藤本幹事が司会を担当し、森下会員が読影に指名され症例検討が始まりました。

森下:病変は、前庭部小彎に存在する隆起+陥凹性病変。
大きさは15×15mm位で形は類円形、陥凹の形は星亡状でひげ状の飛び出し所見が見られる。
陥凹底は側面像では滑らかな感じを受ける。
深さは、大きさのわりにバリウムの溜まりがはっきりしており深いと思う。
隆起はある程度の高さがあり急峻な立ち上がりであるが、進行癌に見られるゴツゴツした印象ではない。
周囲粘膜は萎縮性粘膜で、圧迫の強弱で病変の形や大きさに変化がなく、大きさの割には硬いと思う。
IIa+IIc型早期癌、深達度SM2、分化型とする。

特別講演講師の萩原先生にもご意見を伺った。
萩原先生:側面像ではなだらかな立ち上がりを示すので、IIa+IIcのビラン型か深部浸潤型をを考える。
陥凹が深いということに着目すれば、III+IIcとも読める。
結論としてはIIa+IIc(+III)型の早期癌、深達度M、分化型を考える。

能瀬:この部位は大腸と同様に側面変形を当てはめることのできる部位であり、円弧状変形が見られるのでIIa+IIc型早期癌、深達度SM2とする。

井上(啓):圧迫で隆起表面に不整があり上皮性の変化であることがわかる。
陥凹には辺縁に飛び出し様の所見があり、これを癌の根拠とする。
深達度がSM2ならば、もっと隆起部分にゴツゴツした変化があるはずなので分化型のIIa+IIc型早期癌、深達度はほとんどがMで一部SMに少し入ている可能性がある程度。

結果:L, less, type0-IIa+IIc, 17x12mm,tub1>tub2>sig>pap>muc, pT1(sm2), int, INFγ, ly1, v0, pN0, H0, M(-), CYX, pPM(-),pDM(-),D1+α, stage1A, curA

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 前回第2症例の説明

山田(丁)会員が担当しました。
意見の分かれた病変の範囲と深達度に関して詳しく書かれています。
X線写真と内視鏡像を対比させ、目立つひだを指標にして病変の範囲を決定しています。
深達度については、側面像及び空気量の違いによる病形の変化を根拠に詳しく解説されています。
一カ月間ご苦労様でした。




Coffee break(あれこれQ&A)

「胃角の開大について」というテーマで坂本幹事が解説しました。

一枚の背臥位二重造影正面像を提示し、この段階で異常に気づかなければこうなりますよと新たな写真を追加提示しました。
そこには進行癌となった写真。胃角部を撮影するには圧迫撮影でないと病変の描出が困難な場合があると強調されました。
さらに圧迫時には、小彎線を飛ばさない程度の圧迫でなければならないと述べられました。



プログラム3 特別講演
『陥凹型胃癌の読影・診断の基礎ー未分化型と分化型ー』
『全員参加型読影診断クイズ 4択で解答』


萩原 武先生による特別講演の始まりです。
対比による分化型癌と未分化型癌の定義についての説明から始まり、幽門腺粘膜、胃底腺粘膜に発生する癌について説明が行われました。
先生の解りやすく丁寧な解説に、時間が過ぎるのも早く感じられました。

続いて行われた全員参加型読影診断クイズでは5症例が提示され、それぞれ病変の範囲、肉眼型、組織型、深達度を4択で答えるという形式でした。
先生に北海道からご持参頂いた夕張メロンやスイーツ、お酒やお米といった賞品の数々に目を奪われたのか、参加者はいつも以上に真剣な顔つきで解答されていました。

今までの特別講演にはない和やかな雰囲気でした。萩原先生、素晴らしいご講演を頂き有難うございました。
詳しい内容については10月に発刊される会誌51号をお待ち下さい。

又、例会終了後は萩原先生を囲んで恒例のビアパーティーが開催されました。
参加者は皆、フレンドリーな雰囲気の中で先生とお話することが出来ました。
2年前にご講演頂いた市原先生と同じご職場ということで、素晴らしい先生方にご指導頂ける北海道の技師の方々を羨ましく思うのは私だけでしょうか。



(記:福本 弘幸)

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