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第349回6月度例会 活動風景  2014.6.6

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近畿地方では,6月3日に梅雨入りしたとの発表がありました.皆様方の地域は如何でしょうか.
昨年に続いて今年もエルニーニョ現象が確認され,梅雨明けが遅くなるのではと懸念されています.
さらに,この現象による冷夏の可能性は地球温暖化の影響のため低いとの事,今年の夏もジメジメした陰気な日々が続きそうですね.

話は変わりますが,梅雨時に咲く花といえば紫陽花でしょうか?
そこで,久しぶりに堺の三宝下水処理場に紫陽花を見に行ってきました.
下水処理場が移転し,紫陽花も新たに植え替えられていたためか大きな株の花は少なくなっていましたが,それでも代わりに品種が増え100種類1,600株の花々を見ると,まるで図鑑を眺めているようでいろんな紫陽花を楽しむことが出来ました.

この浄水場の紫陽花には下水処理場で処理した水が使われており,弱アルカリ水の影響で花のピンク度が増すそうです.
小さな株の紫陽花も,数年後には素晴らしい花を見せてくれると思います.今からその時が楽しみです.
それでは梅雨にも負けず紫陽花のように頑張りましょう.研究会のスタートです.

今回の参加者は 49 名です。



プログラム1 第1症例検討

丹羽幹事が司会を担当し,佐久間幹事が指名されて読影が始まりました.

噴門下部後壁やや大彎寄りに隆起+陥凹性病変が存在する.
隆起の中の陥凹は,ギザギザした不整な辺縁で形は類円形.大きさは30×30mm位.
バリウムの濃度より陥凹は深く,陥凹底には顆粒が存在すると思われる.
陥凹の周囲にはひだ集中があり,その先端には中断が見られる.
隆起の立ち上がりは,口側が急峻で肛門側はなだらかである.
表面粘膜は,アレア模様が消失しており正常粘膜とは違うと思う.
病変の側面像で変形があり,硬いのではないか.

まとめると,陥凹辺縁が不整,陥凹底に顆粒があり集中するひだに中断,ひだの谷ににじみ像が見られることより悪性病変であり,側面変形の存在と陥凹の深さが深いことより3型進行癌と読影した.

会場より
西戸:カテゴリー1の進行癌か良性潰瘍かの鑑別に相当するが,私は側面像では硬化所見がないと読む.III+IIcの可能性については,IIc部分が明瞭に追えない.一見不整に見える陥凹辺縁も,よく見るとほとんどが平滑であり集中するするひだにも悪性所見はない.
以上より良性潰瘍と読影する.

田中幸:陥凹の周囲に何カ所かの集中点がある.良性潰瘍とこれに伴う瘢痕であり,周辺隆起は浮腫である.

結果:良性潰瘍

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.



プログラム2 前回第2症例の説明

細見幹事が担当しました.
病変の組織型,深達度について詳しくまとめられており,圧迫筒を用いた背臥位二重造影像の撮影に関しても説明されています.
風邪で体調を崩された中でのレポート作成,大変だったと思いますがご苦労様でした.




Coffee break(あれこれQ&A)

「写真から学ぶ?」坂本幹事が担当しました.

初年度の撮影時に,胃体部の後壁小彎寄りに異常を感じながらも空気を追加してしまい病変が描出されませんでした.
次年度の撮影では,空気を追加せずに綺麗に病変を描出した写真が提示されました.
この部位にバリウムを流すには空気の追加は厳禁であり,一旦追加してしまうと逆傾斜の角度を30度位にしないと病変部をバリウムが流れないと説明されました.



プログラム3 レクチャー&ディスカッション

『検定試験対策2 読影と機器管理』

読影については婦木監査が,機器管理については岩瀬副会長が担当しました.
読影に関する基本的な事柄として胃の解剖から区域割り,読影の実際,胃癌取扱い規約に至るまで詳しく説明されました.
機器管理に関しては,保守管理における保守点検と日常点検の違いについて,画像の物理評価について説明を行いました.
共に検定試験を意識したレクチャーとなっていたと思います.
詳しくは限定ページをご覧ください.


詳しくは<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム4 第2症例検討

西戸副会長が司会を担当しました.
読影者には米谷幹事,鎌倉会員が指名されました.

立位・腹臥位充盈像のチェック

米谷:立位では前庭部小彎線のガタツキ部分を3番,穹窿部の二重輪郭になっている部分を5番でそれぞれチェック.
腹臥位では胃角から前庭部にかけてのケバ立ち所見を4番で,胃体上部大彎に顆粒様所見が見られ,同部にひだが寄ってきているので2番でチェックする.

鎌倉:立位は前庭部小彎のガタツキ部分を,大彎側は鳥肌胃炎の影響かもしれないが,やはり輪郭のガタツキをそれぞれチェック.
腹臥位は胃体上部大彎側にひだ集中様所見が見られるのでここをチェック.

田中:胃体下部の小彎線の変化をチェックする.

全フィルムの読影

米谷:噴門下部から胃体上部後壁大彎寄りに陥凹性病変が存在する.
大きさは25×25?位,形は地図状で辺縁はギザギザとした不整,内面に大小不同の顆粒がある.
側面像であきらかなニッシェが見られないので,陥凹はそれ程深くはない.
ひだ集中があり,肛門側からのひだには中断,大彎からのひだには中断と太まりがある.
硬さについては,側面像で変化が見られないので極端な硬さはないと思う.
以上よりIIc型早期癌,陥凹がやや深いことより深達度SM2,組織型は未分化型と読影した.

鎌倉:米谷の指摘した部位に陥凹性病変がある.
背景粘膜は,ひだが残っているのでF線ライン内側にある.
陥凹の形は不整形,底部は肛門側が深く口側には大小不同の顆粒がある.
ひだ集中があり,肛門側からのひだには接合所見を認める.
陥凹の口側境界よりも更に上部からひだの変化があり,肛門側もやはり陥凹境界よりも下側から変化を来しているので,広範囲に病変が広がっていると考える.おおよそ60×60mm位か.硬さは感じるが側面像変形ははっきりせず,病変の厚みも感じられない.
以上よりIIc型早期癌,組織型は未分化.深達度は基本Mであるが,スキルス的に広がっている可能性があるとした.

田中幸:同じIIc型早期癌であるが,口側は鎌倉より狭い範囲でとる.
陥凹自体が少し盛り上がっており,辺縁がシャープなので深達度はSM2.

石黒:肛門側からのひだは3本癒合しているのではないか.
この部分で深達度はMPに入っていると思う.

佐藤:多彩な深さの陥凹故に深達度はSM massive.

丹羽:陥凹の内面は深く無構造,全体的に盛り上がりがあり,肛門側からのひだの癒合所見よりMPまで浸潤した進行癌.

柏木:口側の襞の変化は鎌倉より広くとる.
肛門側のひだは癒合で深達度はMP,粘膜下に潜ったスキルスタイプ.

結果:U, Post-Gre, Type 0-IIc, 15×15mm, por2>tub2>sig, pT2(MP), int, INFb, ly1, v0, PM0(70mm), DM0(27+5mm), pN0

詳しい結果は<限定ページ>をご覧下さい.
または、次月の症例レポートをご覧ください。



(記:福本 弘幸)

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