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第344回1月度例会 活動風景  2014.1.10

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新年明けましておめでとうございます(松の内は過ぎてしまいましたが…)。
本年も皆様方と研究会にとって良い年となりますようお祈り申し上げます。

話は変わりますが、最近私のマンションの敷地内に野良猫が増えてきました。
住民の老夫人が餌を与えているのが原因のようですが、特に悪さをする事もなく苦情もないようなので、それはそれで良いかな…などと思っています。

私はというと、携帯電話のカメラでその猫たちを撮影し、勝手に名前を付けて楽しんでいます。
最初に会うのが虎猫のトラ太郎、次が黒猫のクロ、シマジロウ、コゲゾウ、いつも一緒にいる姉妹猫がマナ、カナ、そしてボスの「エミコねこ」です。

えっ…どうして猫にわざわざ「ねこ」と付けるのかですって?
付けないと我が家にいるボスと間違うからです。
共通点も多いですが、ここで詳しく述べると両ボスの怒りを買う恐れがありますのでやめておきましょう。

それでは寒さにもインフルエンザにも負けず研究会頑張りましょう。 

今回の参加者は 49 名です。



プログラム1 第1症例検討

藤本幹事が司会を担当しました。
末廣会員が指名され、立位充盈像のチェックから読影が始まりました。

胃のバランスは悪くない。幽門前部小彎に隆起性病変を疑い3番で、前庭部大彎の弯入所見を同じく3番で、胃体中部大彎の圧排所見をガスの影響を否定できず5番でチェックします。

白波瀬:胃体中部小彎近傍に隆起性病変の辺縁を疑うラインが見られる。

全フィルムの読影

末廣:病変は胃体中部から胃体下部にかけて後壁中央から小彎にかけて存在する隆起+陥凹性病変。
形は楕円形で中の陥凹は不整形。大きさ50×40mm。
多量のバリウムを流してもハジキがはっきりしており、山田II型の立ち上がりを呈する高い隆起で、表面と辺縁は凹凸不整がある。
陥凹は全体的に深いが部分的に浅い所もあり、内面は平滑で辺縁に不整な飛び出し様の所見がある。
圧迫でははっきりした硬さは感じないが、大きさ、隆起表面や陥凹内面、辺縁部の不整より2型の進行癌と読影する。

井上(啓):隆起部分は二段階の高さを持つ構造になっており、圧迫で描出されているのは高い部分のみである。
隆起の口側に陥凹が存在し、病変の全体像はもっと大きい。圧迫では硬さは感じられないが、側面像を見ると辺縁がゴツゴツしており硬いと読める。
大きさも50×50mmと大きく、2型進行癌、分化型とする。

結果は読影者、井上の読影通り2型の進行癌であった。

結果:adenoma



詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 前回第2症例の説明

レポーターの吉川会員の代わりに、前回司会を担当した藤本幹事が報告を行いました。
集中するひだ先端の性状についてX線写真とマクロ写真を対比させて詳しく描かれており、解り易い説明であったと思います。
一か月ご苦労様でした。



Coffee break(あれこれQ&A)

坂本幹事がひだの悪性所見について説明を行いました。

ひだから得られる情報として
1:良悪性の鑑別
2:深達度の判定

をあげ、シェーマを示しながら説明されました。



プログラム3 レクチャー&ディスカッション

『異常像と思ったら何をすべきか』西戸幹事が担当しました。.

昨年の「速読法による透視時の読影法」では異常像を見つけるコツを示してくれましたが、今回は異常像を見つけたらどうするかです。

具体的には、同じような画像は沢山いらない。
やみくもに撮影するのではなく、読影に最適な画像が必要であるとし、その為の追加撮影法について詳しく解説されました。

また症例の静止画像を数枚流し、病変がどの部位に存在するか、どんな病変か、更にどんな追加撮影が必要かを問いました。

詳しくは<限定ページ>をご覧下さい.



プログラム4 第2症例検討

坂本幹事が司会を担当しました。
竹内、川岡、両会員が指名され読影スタートです。

立位、腹臥位充盈像のチェック

竹内:胃のバランスは良好、胃体下部大彎部分の弯入を4番でチェック、その他はノーチェックです。
腹臥位も同部位を4番でチェックします。

川岡:胃外性病変はなくバランスも良好。竹内と同じ胃体下部大彎を2番でチェック。
腹臥位も同様に2番でチェックします。

井上(啓):胃体上部小彎が、内側に入り直線化しているので1番でチェック。
腹臥位でも同部位のバリウムがはじかれているので1番でチェック。

全フィルムの読影

竹内:胃角部から胃体下部にかけて、前壁やや小彎寄りに存在する陥凹性病変。
陥凹の大きさは10×5mm、陥凹底には顆粒が一つあり、先端に段付きを伴うひだ集中が見られる。
病変全体の範囲は、ひだが変化している部分を結んだ所で大きさ35×35mmである。
圧迫ではっきりとした硬さが感じられず分化型のIIc型早期癌、深達度はSMとする。

川岡:胃角部前壁小彎寄りに陥凹性病変を認める。
10×10mmの陥凹で形は内に凸の不整、陥凹底には顆粒が一個、陥凹のエッジはぼやけていて分かりづらいが少しギザついている。
集中するひだの先端にアクセントがあり、空気量の違いで病変の大きさが変化していることより柔らかいと考える。
IIc型早期癌、深達度M、分化型と考える。

井上(啓):集中するひだの先端に淡いバリウムの滲みが見られる。分化型のIIc型早期癌、深達度はMである。

司会者より2年後の写真が提示された。

竹内:前回よりも部分的に陥凹が深くなっており、IIc +III型早期癌、深達度SM。
川岡:3型進行癌、陥凹が深くなりひだの変化もはっきりしている。ひだの融合所見も認めるので3型進行癌とする。

結果:Type0-IIc,tub2,pT1a(M)

詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.



(記:福本弘幸)

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