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第338回7月度例会 活動風景  2014.7.5

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7月中に日本を襲った台風としては、過去最大級と言われた台風8号が通過して行きました。
沖縄地方では特別警報が発令され被害の甚大さが心配されましたが、最悪の状況は回避されたようです。
しかしながら長野県では、土石流が起き悲しい事態を招いてしましました。
亡くなられた方々のご冥福を祈らずにはいられません。

近未来の予想として2070年代には、地球温暖化の影響で気圧870hPa、最大風速80m級のスーパー台風が発生する恐れがあると言われています。
想像もつきませんが考えただけでも恐ろしくなります。
我々が今できる事は何か、改めて考えなければならない時期にさしかかっているのではないでしょうか。
それでは暑さにも台風にも負けず頑張りましょう。

研究会スタートです。

今回の参加者は 47 名です.



プログラム1 第1症例検討

丹羽幹事が司会を担当しました。
荒田会員が指名され、読影が始まりました。

病変は、胃体中部前壁中央に存在する陥凹性病変。
大きさ20×20mm、陥凹の中心に向かって内に凸の形状で深さは浅い。
内面には小顆粒が見られ、辺縁はギザギザしている。
周囲にはひだ集中があり、肛門側には隆起様所見がある。
硬化の程度は不明だが、病変の不整な形と顆粒の存在から悪性を疑いIIc型早期癌と思う。

高井:バリウムを流した写真からは、IIc型というよりも陥凹は深いのではないか。
陥凹周囲に結節様の変化があり、集中するひだには中断、融合所見、ひだのねじれもあるので3型進行癌を考える。
背景粘膜より未分化型だと思う。

田中:大彎側の弯入所見に加えて小彎側にも変化が見られる。
空気量を変化させても病変の大きさが変わらない事より進行癌と思う。

結果はSEまで浸潤した進行癌であった。
読影時には未分化型と思われたがtub1>tub2の分化型であった。



詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 前回第2症例の報告


荒田会員は、今回が初めてのレポート担当でした。
内容は、シェーマも綺麗に描かれており、意見の分かれた陥凹口側の盛り上り所見の読影について詳しく説明されています。
1ヶ月間大変だったと思います。ご苦労様でした。




Coffee break(あれこれQ&A)

「透視台起倒時には何をしている?」

司会者より最初に次の質問が投げかけられました。

1) 透視台の起倒にかかる時間を知っていますか?
2) この時間をどのように活用していますか?

起倒時間は11秒位だそうです(メーカーによって異なります)。
ではこの11秒間をどう使うのか?
何もしないのか動作の説明をするのか、緊張をほぐす工夫をするのか。
坂本幹事がご自分の経験を織り交ぜ解説されました。
皆様方はどうされていますか?いま一度考えてみてはいかがでしょうか。



プログラム3 レクチャー&ディスカッション
『読影にスキルアップ5』


田中幹事が担当するレクチャーです。
すでに5回目となる今回はどのように展開するするのでしょうか。

胃の症例検討から始まりました。
悪性リンパ腫の症例を提示した後、会場に意見を問い、結果を示した上で詳しく解説が行われました。
続いて大腸の解剖を含めた基礎知識の解説を行い、ビデオを用いて注腸検査の手技を説明しました。

最後にもう一例、胃の症例検討を行いスキルス胃癌と急性胃炎、悪性リンパ腫との鑑別について解説されました。
詳しくは限定ページ レクチャー要約 をご覧ください。



プログラム4 第2症例検討


岩瀬幹事が司会を担当し、佐久間、井上(啓)、両会員が指名され読影が始まりました。

立位、腹臥位充盈像のチェック

佐久間:立位充盈像において胃外性病変はなく、バランスも悪くはない。
噴門下部小彎線の不整を2番でチェック。
腹臥位充盈像は、立位で指摘した部位に隆起性病変を疑い2番でチェック。

井上(啓):立位充盈像では、噴門下部小彎に陰影欠損があり、二重造影像で周辺粘膜の異常部分も含めて1番でチェック。
胃角がスムーズではないので3番で、胃角部大彎の弯入所見を3番でそれぞれチェックする。
腹臥位充盈像では、立位でチェックした噴門下部にバリウムの付着異常と隆起性病変を疑い1番でチェック。
胃角の異常は3番でチェックするが、対側大彎の変化はチェックできない。

田中:粘膜変化は、噴門下部から胃体上部まで含めた広い範囲で見られる。
胃角大彎の弯入所見は腹臥位でも出ており1番でチェックする。

全フィルムでの読影

佐久間:胃角部大彎の弯入は、前壁側の潰瘍瘢痕による影響。噴門下部の主病変近傍にも瘢痕が見られる。
噴門下部の病変は、隆起+陥凹性病変。ひだ集中があり、肛門側からのひだには中断が見られる。
隆起は胃入口部直下の後壁側にある。
大きさは50×40mm、部分的に深達度の異なる癌で深い部分は進行癌、周囲に浅い陥凹が広がっている。
IIc+IIa型の進行癌、未分化型だと思う。

井上(啓):病変の範囲は、口側はひだの太い部分まで、後壁側は淡くバリウムが溜まったところまで、肛門側は顆粒のあるところまで。
後壁側のひだが集中する部分に滲みがありIIc型の癌を疑う。
小彎側は、わずかな隆起が浅い陥凹の周囲にあり、陥凹底には隆起とやや深い陥凹が存在する。
50×50mm位の大きさであり、これだけ広い範囲に及ぶ病変は悪性であると考える。
病変の側面像でも変化があり進行癌を疑うが、ほとんどが早期癌でひだ集中している部分に一致して陰影欠損が現れているので深達度が深いと思う。
表層拡大型のIIc+IIa型進行癌、分化型とする。

結果:U,less,f Type0 IIa+IIb,T2(MP),55×75mm, pap>tub2
int,INFβ,ly1,v0,H0,P0,pN0,CYX,M0,pPM(-7mm),pDM(-10mm),D1+α,stageIB
(手術当時の胃癌取扱い規約にのっとって記載)

詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


(記:福本弘幸)

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