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第337回6月度例会 活動風景 2014.6.7 |
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近畿地方は6月4日から梅雨入りし,傘を必要とする日が多くなってきました.
今年は2009年以来,5年ぶりにエルニーニョ現象(太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけて海面水温が平年より高くなる現象)が起きる可能性が高いと気象庁が予想しており,梅雨が長引く可能性があるそうです.
外出する機会も減りそうなので,私は本棚に片付けたままになっている学会誌などを読もうと思っています.
結構サボっていたので少々梅雨が長くても困ることはなさそうです….
それでは研究会のスタートです.
今回の参加者は 54 名です.
プログラム1 第1症例検討
三浦幹事が司会,森下幹事が読影を担当しました.
★発見前年★
森下:病変は2ヶ所あり,ひとつは胃体下部後壁にバリウム斑を認め,陥凹性病変を疑う.
もうひとつは,同じく胃体下部後壁に隆起+陥凹性病変を疑う.
★発見年★
森下:胃角部後壁小彎寄りに大きさ35×25mm,辺縁不整を伴うほぼ類円形の陥凹性病変を認める.
深さはやや深く,陥凹底はほぼ平滑であるが,顆粒が3個存在する.
陥凹周囲の隆起は,反応性のものと考え病変の範囲には含めない.
IIc型早期癌,深達度SM,分化型癌とする.
田中(幸):陥凹周囲の顆粒状隆起は,病変の一部と考える.
IIc型早期癌,深達度M,陥凹辺縁が棘状に飛び出していることから分化型癌とする.
三宅:読影者が陥凹周囲の隆起と捕らえている顆粒は,私は陥凹内にあるものと考え,IIc型早期癌,顆粒の見え方から経験的に深達度SM,未分化型癌とする.
結果:L, Post, Type0-IIa+IIc, tub1, pT1a(M) , pN0
詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.
プログラム2 前回第2症例の報告
川岡幹事が担当しました.
X線像とマクロ像の対比をし,深達度の考え方についてまとめられています.
1ヶ月間お疲れ様でした.
Coffee break(あれこれQ&A)
坂本幹事から「初めて検査を受けられる方へのアプローチ」について説明がありました.
1:理解しておきたいこと
受診者は不安でいっぱいである
2:具体的なアプローチ
バリウムは薬であることへの理解を促す.
発泡剤という言葉は使用せず,必ず飲用後の状態を説明する.
体動の多い検査であることへの理解を求める.
体位変換する理由を説明する.
会場からは,バス検診であれば撮影している状況を次の受診者に見学して頂くことも有効ではないかとの意見もあったが,逆に頭低位の状態を見て不安を助長するのではないかとのコメントもあった.
施設の状況に応じた判断が重要だと感じた.
プログラム3 レクチャー&ディスカッション
『基準撮影法と撮影法のQ&A』
吉本会長,丹羽書記による『基準撮影法と撮影法のQ&A』についてレクチャーがありました.
吉本:基準撮影法における撮影体位の定義や撮影順序など,動画を交えながら説明があった.
また,混同されがちなNPO精管構の基準撮影法と日本消化器がん検診学会ガイドラインによる新・胃X線撮影法の基準との違いを説明された.
丹羽:基準撮影法の検査手順の確認をし,体位変換法,追加撮影の撮影枚数や,撮影体位,撮影タイミングについては会場とディスカッションをした.
詳しくは限定ページ レクチャー要約 をご覧ください。
プログラム4 第2症例検討
森下幹事が司会,西戸副会長と高井会員が読影を担当しました.
充盈像のチェック
高井:噴門下部に前後壁は定かではないが集中を伴う陥凹性病変を疑い1番でチェック.
西戸:噴門下部に前後壁は定かではないが集中を伴う陥凹性病変を疑い2番でチェック.
胃角部に隆起性病変を疑い3番でチェック.
胃角部小彎にniche様所見を認め3番でチェック.
全フィルムの読影
高井:胃角部後壁中央に30×30mmの陥凹性病変がある.
陥凹は不整形であるが,中央には円形のやや深い部分があり,2段掘れになっている.
陥凹内の口側はやや盛り上がっており,陥凹底に顆粒などの構造物は認めない.
陥凹周辺に浮腫性の隆起があり全体的には柔らかい印象であるが,口側の隆起部分は粘膜下に癌が浸潤していると考え
IIc+III型,深達度MP,分化型の癌とする.
西戸:胃角部後壁やや大彎寄りに30×30mmの隆起+陥凹性病変がある.
陥凹は棘状の辺縁を伴い不整形であるが,中央には円形の潰瘍があり,2段階の深さがある.
陥凹口側の隆起は繰り返す潰瘍瘢痕の線維化による変化と考える.
IIc+III型早期癌,深達度SM,分化型とする.
田中:空気量の違う写真で,深い陥凹と口側隆起の大きさが変わらないので硬い病変と考え進行癌を疑う.
IIc+III型の進行癌で深達度はMPとする.
佐藤:陥凹周囲の隆起はDesmoplastic reaction(DR: 間質線維化反応)によるものと考えIIc+III型の進行癌で深達度MPとする.
結果:0-IIc+III,25×15mm,tub2>pap,pT1b1(SM1),int,INFa,ly0,v0,pPM0(15+5mm),pDM0(85mm)
詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.
(記:細見 聡)
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