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第336回5月度例会 活動風景 2014.5.10 |
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サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会がひと月後に迫ってきました.
この大会はオリンピックと並ぶスポーツ界最高の祭典で,20回目となる今回は6月12日に開幕し,7月13日までの一カ月間にわたって,出場三十二カ国による熱戦が繰り広げられる予定です.
TV中継も地上波で生中継され,日本戦は,6月15日(日)10:00〜コートジボワール戦,6月20日(金)7:00〜ギリシャ戦,6月25日(水)5:00〜コロンビア戦が放映予定です.
今回は日本戦で寝不足になる事はなさそうですが,じっくり観戦するためには有給を取らないといけませんね….
研究会の日に重ならなくて本当に良かったです.
今回の参加者は 54 名です.
プログラム1 第1症例検討
桑原幹事が司会,塩村会員が読影を担当しました.
塩村:胃体下部から前庭部にかけて,小彎を跨いで前後壁に広がる60〜70mmの隆起性病変を認め,中心部に10mm程度の粗大顆粒が複数個あり,その周囲は不明瞭,肛門側にビランを認める.
病変の境界部は非常に不明瞭で,わずかな粘膜の変化を認めるのみである.
圧迫の強さによって病変の大きさが変わるため軟らかい.
明確な悪性所見は指摘できず良性病変を考えるとしたが,吉本より60mmを超える隆起性病変なので悪性病変を疑うべきではないかとの指摘があった.
佐久間:胃体下部から前庭部にかけて,小彎を跨いで前後壁に広がる60〜70mmの隆起性病変で,一部にビランがあるが辺縁不明瞭である.
硬さはなく悪性リンパ腫を疑う.
田中:部位は同じであるが陥凹性病変と考える.
胃体下部前壁大彎側には陥凹の辺縁と思われる変化を認め,中心部の粗大隆起は間隔が広い為陥凹内部の顆粒と考える.
後壁側の辺縁は不明瞭であるが,わずかに粘膜の変化があるように感じ,その部分を陥凹の一部として考え,IIc+IIa型早期癌,深達度Mとする.
病理結果はIIbであったが,X線画像的には広範に広がるごく浅いIIcの中心部に目立つ島状残存粘膜があると理解するのが自然であると思われた.
結果:M,Type0- IIb,72×54mm,por>sig>tub2,
pT1a(M),ly0,v0,pN0,P0,CY0,H0,stage IA
詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.
プログラム2 前回第2症例の報告
佐久間会員が担当しました.
隆起+陥凹性病変の周辺の性状から進行癌の肉眼分類をする方法をまとめられています.
初めてのレポート担当で大変だったと思います.
本当にお疲れ様でした.
Coffee break(あれこれQ&A)
坂本幹事から「食道撮影のコツ」について説明がありました.
1:食道病変の好発部位
食道入口部,肺門部や大動脈による狭窄部位,食道胃接合部などの病変好発部位を二重造影で撮影する.
2:食道撮影の体位
正面(A→P、P→A)
第1斜位(RAO)
第2斜位(LAO)
第3斜位(LPO)
第4斜位(RPO)
3:食道撮影のタイミング
シャッターを押してから曝射までのタイムラグを考慮し,バリウムの通過するタイミングを計って撮影することが大切である.
二重造影像を得るためにはバリウムと共に空気を口内に含ませ合図とともに飲み込ませたり,バリウムをストローで飲ませて撮影したりする方法があるが,タイミングを合わせる事が最も重要であると述べた.
最近の装置であれば連続撮影も有効である.
プログラム3 レクチャー&ディスカッション
『各施設における読影の補助』
井上香里幹事,三浦幹事,森下幹事による『各施設における読影の補助』についてレクチャーがありました.
井上:RISによるレポートシステムに部位,病名,判定を入力し,キーフィルムを6コマ貼り付け,所見がある場合は写真上に記載をしている.
気づいた点は技師コメントとして入力できる.
三浦:部位,壁在,疾患名,判定,撮影技師,撮影法,使用バリウム等を数値化しコード入力をしている.
判定は独自のカテゴリー分類で行っている.
森下:登録されているコメントを組み合わせ,技師が読影レポートを作成し所見サーバーに保存する.
シェーマはマウスを使用し描画する.
医師は技師が作成した読影レポートを修正,追記し最終の読影レポートを作成する.
いずれの施設も技師による読影を行っているが,その内容は三者三様である.
また3施設とも読影レポートを何らかの形でデジタル保存を行っていた.
今後はさらに読影レポートのシステム入力が増え,多様化が進むのではないかと考えるので経過を注視していきたい.
詳しくは限定ページ レクチャー要約 をご覧ください。
プログラム4 第2症例検討
田中幸一副会長が司会,藤本幹事と山田会員が読影を担当しました.
充盈像のチェック
藤本:胃角がきれいなU字ではないので5番でチェック.
前庭部小彎の辺縁のガタツキを3番でチェック.
山田:胃角がきれいなU字ではないので4番でチェック.
胃体上部大彎にひだ集中を認め陥凹性病変を疑い2番でチェック.
西戸:胃角は立位,腹臥位で同じように変形があり,側面nicheを認めるので陥凹性病変を疑い1番でチェック.
全フィルムの読影
藤本:胃体中部大彎前壁寄りに25×25mmの陥凹性病変がある.
陥凹は不整形で浅いが,2段階の深さがある.
陥凹内面には1〜2個の顆粒があり,集中するひだ先端には太まりが見られる.
立位圧迫で病変がのびているので進行癌ではないと考えIIc型早期癌,深達度SM,
陥凹の辺縁が追い難いので分化型癌とする.
山田:胃体中部大彎前壁寄りに陥凹性病変がある.
陥凹は不整形で浅いが,2段階の深さがある.
陥凹内面には複数個の顆粒があり,集中するひだ先端には低まりや中断が見られる.
陥凹周囲のひだの変化も病変によるものと考え,範囲をやや広く取り大きさ40×40mm.
弱い腹臥位圧迫で病変が描出されているので柔らかいが,中心部にやや深いところがあるので,IIc型早期癌,深達度SM,
背景粘膜から未分化癌とする.
米谷:空気量を変化させた写真で胃体部大彎の輪郭が直線化しており,充盈像でもしっかりと伸びていない.
圧迫像はバリウムが溜まっていないので硬さの参考にはできない.
胃体中部〜胃体下部に広がるスキルス型の進行癌を疑う.
西戸:米谷と同じで,空気量を変化させた写真で胃体部大彎の輪郭が直線化しているところはおかしいと感じる.
ただ,他の写真を見ても進行癌を疑わせる所見は見当たらない.
背景粘膜と性別から,SM層にスキルス性に浸潤していると考える.
坂本:空気多量像でも集中があり硬い病変である.
陥凹周囲に盛り上がりを認め,ひだ先端に接合と融合所見がある.
ひだの谷の部分が潰れていないのでスキルスとは考えにくい.
陥凹にもある程度の深さがあるので局所的な進行癌を考える
結果:0(IIc+III)ss, sig, int, INFγ, ly0, v0, aw(-), ow(-), n(-)
(手術当時の胃癌取り扱い規約に従って記載)
詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.
(記:細見 聡)
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