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第333回2月度例会 活動風景  2014.2.1

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節分の豆まきも終わり立春も過ぎ,暦の上では春なのですが毎日寒いですね.
この文章を執筆している2月8日現在,今年一番の寒気が押し寄せて来ています.
なにしろ日本全国の8割以上の地域が氷点下の朝を迎え,さらに爆弾低気圧も加わり近畿でも沿岸部を除き,雪が多く積もったようです.
結果,高速道路も通行止めの箇所があり交通がおおいに乱れています.
又,首都圏では20年ぶりの大雪で,さらに多くの被害が出ているようです.
大学の入試に臨む受験生達には被害がない事を祈りたいと思います.

寒さが増すに連れてインフルエンザが猛威をふるい始めました.
まだ私の周りには感染者がいませんが,流行するのも時間の問題だと思われます.
手洗い,うがいを行い感染しないように心がけましょう.

それでは,雪にもインフルエンザにも負けずに研究会頑張りましょう.スタートです.

今回の参加者は 78 名です.



プログラム1 第1症例検討

婦木監査が司会を担当しました.

検診をされている方に読影してほしいと希望があり,鈴木会員が指名されました.
最初に健診でのルーチン写真のみが提示されました.

鈴木:背臥位正面二重造影像で,胃角部小彎と大彎の辺縁不整をチェック.
腹臥位二重造影第2斜位像で前庭部前壁小彎寄りにバリウムの貯留と透亮像を指摘し,十二指腸を見ているかもしれないが隆起+陥凹性病変を疑うとした.
しかしいずれも恒常性はなく,はっきりした病変は指摘できないと述べた.

田中(幸):腹臥位二重造影第1斜位像で胃体下部前壁小彎寄りに集中様所見があり,陥凹性病変を疑う.

小川:背臥位正面二重造影像で胃体中部小彎線に変化があり,バリウムの付着異常も見られる.背臥位二重造影第2斜位像でも同様の所見があることより陥凹性病変を疑う.

続いてルーチン撮影後の追加写真が提示されました.

鈴木:小川が指摘した胃体下部後壁小彎寄りに陥凹性病変がある.ひだ集中が見られ陥凹内の一部にやや深い部分とその周りに大小不同の顆粒様所見を認める.病変の形は類円形で大きさは35×30mm,IIc型早期癌,深達度はほとんどMだが,陥凹の深い部分でSMとする.

田中(幸):深達度はMではないか.

司会者:粘液が多く写真は良くない.バリウム量が少なく圧迫撮影が病変の一部しか捉えられていないのが反省点である.健診撮影であるため空気多量で撮影されているが,途中でゲップをしたために集中像が現れ病変がチェックできた.空気が減ってもすぐには発泡剤を追加せず,異常の有無をチェックする心構えが大事である.

本日の特別講演のタイトルにある「健診撮影のピットホールとその対処方法」に即した症例でした.

結果:Type0-IIc,52×26?,tub2,pT1a,ul(+),ly(?),v(?),pHM010(mm),pVM0


詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


前回第二症例の説明


米原会員が担当しました.

初めての症例レポート担当,しかも年初めのために作成期間が実質2週間しかないというハードスケジュールの中で頑張ってくれました.職場の先輩方の協力もあったと思われますが,初レポートとしては良かったと思います.

会場からの質問で,隆起+陥凹性病変であるのに隆起の大きさから深達度を推測するのは問題があるのではないかとの指摘がありました.ご指摘ありがとうございました.

米原会員,しばらくはレポートに関わりたくない(?)と思われうかもしれませんが,次の機会には更なる内容の充実を期待したいと思います.ご苦労様でした.




Coffee break(あれこれQ&A)

坂本幹事が担当しました.

Billroth-I法を例にとり,術後胃の撮影では吻合部の撮影が一番重要であると強調しました.

その他の部位は,通常胃の上部の撮影と同様に行う.
最初に飲んだバリウムで残渣をトライツ付近まで押し流せば付着の良い写真が撮れる.
抗コリン剤を注射してあるので,必要に応じて十二指腸から胃にバリウムを戻す操作が可能である.
吻合部の撮影は第二斜位で目的部位を側面視し,大腸でいうapple-core sign がないかを確認する.
撮影の機会の多くない術後胃の撮影ですが,今回の解説を聞き大いに参考になったと思われます.
検診施設の会員の方は,来月の抗コリン剤無しの撮影法がより参考になると思います.ぜひご参加下さい.



プログラム3 特別講演 『健診撮影のピットホールとその対処方法』

前年度までのLecture&Discussionが大変好評であった井上相談役による特別講演です.

最初に提示された写真は大腸の症例であり,井上相談役が人生の転機となった症例との事でした.
当初病変は見逃されていたのですが,カンファレンス時に井上相談役が病変を指摘し,院長の鶴の一声で再検査がなされました.
病変は横行結腸の腹側に存在していたのですが,最初の検査では背臥位のみで撮影されており病変が不明瞭でした.
アドバイスを求められた当時の井上相談役は,病変が腹側にあるのだから腹臥位で撮影して欲しいと訴え,病変は見事に描出されました.
それ以降,ほぼすべての検査を井上相談役が施行されるようになったそうです.30年位前のお話でした.

続いて多くの症例写真を提示し,詳しく説明が行われました.
病変発見時だけでなく前年あるいは前々年の写真も見る事ができ会場の会員も大いに満足といった表情でした.

詳しくは3月末に発行される,消化管撮影技術 48号をご覧ください.



(記:福本 弘幸)

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