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第332回1月度例会 活動風景  2014.1.11

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新たな年を迎え,皆様にとってご多幸がありますようお祈り申しあげます.
さて正月も終わり,いよいよ本格的な寒さがやって参りました.
アメリカではこの20年で最強の寒波に見舞われており,日中の最高気温が南極点よりも寒くなった都市があったようです.
シカゴの動物園では,ホッキョクグマを屋外に出さずに室内飼育に切り替えたとか.
ホッキョクグマが危険な程の寒さ,ちょっと想像がつきません.
日本でも平年に比べて寒くなる様子ですので,皆様体調管理には十分ご注意ください.

それでは研究会のスタートです。

今回の参加者は 54 名です.



プログラム1 第1症例

藤本幹事が司会,稲葉会員が読影を担当しました.

胃体下部前壁中央に30×20mmのヒイラギ状の陥凹性病変を認める.
陥凹底に大小不同の顆粒を認め,集中する襞先端には中断を認める.
圧迫で硬さが見られない事からIIc,深達度M,未分化型癌と読影した.

会場より田中幸は,稲葉の範囲より口側に病変が広がっていると考えIIc+IIb,深達度M,未分化型癌と読影した.

結果:0 IIc m, INFβ, ly0, v0, ow(-), aw(-), n(-)
(手術時の胃癌取扱い規約に従って記載)



詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


前回第二症例の説明


蓮尾会員が担当しました.

迷入膵の特徴について詳しくまとめられています.
あまり見かけることはありませんが,これを機会に勉強してみましょう.
正月休み返上でのレポート作成,お疲れ様でした.




Coffee break(あれこれQ&A)

坂本幹事から胃角小彎の撮影法について説明がありました.

現在のバリウム量では,通常の右回転で胃角小彎に十分なバリウム付着は望めない.
胃角小彎にバリウムを付着させるには,

  • 頭高位で胃角小彎にバリウムを充盈させる
  • 腹臥位にて胃角部にバリウムを溜め,右腰を上げずに頭低位にする
  • 立位圧迫で小彎線がとばないようにする
    という方法がある.
    特に腹臥位にて圧迫枕を使用すると胃壁を平坦化でき,バリウムが動かしやすいと説明がありました.



    プログラム3 レクチャー&ディスカッション

    西戸副会長の「速読法による透視時の読影法」もPART3になりました.

    フィルムの読影力=透視中の読影力となるように,速読の技術を応用してトレーニングしようという企画で今回が最終回です.
    眼球運動の前後の速読文字数を計測したり,視野拡大のソフトでテストを行ったり,透視動画で病変をチェックしたりしました.
    非常にユニークな視点で参加者にも評判でした.

    詳しい内容は, 限定ページレクチャー をご覧下さい.


    プログラム4 第2症例検討

    福本幹事が司会,丹羽書記と佐藤会員が読影を担当しました.

    *充盈像のチェック

    佐藤:幽門部前部小彎の毛羽立ち様に見えるところを3番でチェック.
    胃体上部後壁に胃小区が集中しているように見えるところがあり,陥凹性病変を疑い4番でチェック.

    丹羽:胃角辺縁の毛羽立ち様所見と小さな突出像を3番でチェック.
    幽門輪が長くなっているところを1番でチェック

    会場から
    井上啓:噴門下部の辺縁がつっぱって少し内側に入っているところを3番でチェック.
    胃角辺縁の毛羽立ち様所見と小さな突出像を3番でチェック.
    前庭部大彎のつっぱった所見を3番でチェック.

    柏木:幽門輪から前庭部にかけての小彎線のにじみを2番でチェック.

    *全フィルムの読影

    丹羽:胃体下部後壁中央?小彎にかけて40×40mmの隆起性病変を認める.
    隆起の立ち上がりは明瞭で比較的高く,隆起辺縁はボコボコとしている.
    陥凹はなくバリウムが溜まって見えるのは隆起間の溝と考える.
    圧迫の抜け像から硬い病変と考え,1型進行癌とする.

    佐藤:胃体下部後壁中央に35×30mmの隆起性病変を認める.
    隆起の立ち上がりは明瞭で,比較的低く,表面に一部ビランがあるようにも見えるが明らかな陥凹はないと考える.
    硬さが感じられないことよりIIa型早期癌,深達度M,分化型とする.

    坂本:バリウムを流した像で隆起表面にバリウムが溜まっており,広い陥凹は存在するが辺縁は追いづらい.
    あきらかな粘膜欠損というより,粘膜自体の丈が低くなって陥凹を形成していると考える.
    IIa+IIc型早期癌とする.

    細見:隆起表面に結節模様がないところは粘膜欠損しており,陥凹は隆起表面に広く広がっていると考える.
    IIa+IIc型早期癌とする.

    井上啓:隆起表面にビランがあるので粘膜欠損はある.
    ただし陥凹とは読影しない.
    IIa型早期癌,深達度SM,分化型とする.

    柏木:病変の口側,小彎側に粘膜模様が消失している所があり,陥凹主体の病変と考える.
    IIc型早期癌,深達度M,分化型とする.

    田中幸:病変は小彎側をまたいで前壁側まで広がっていると考え,IIa+IIbとする.

    山本泉:胃体下部から胃角にかけて硬さがある.IIa型,深達度MP,分化型とする.

    結果:Type0-IIa+IIc, tub1>tub2, pT1b(SM2), int, INFb, ly1, v0, pDM0, pPM0, R0
    前壁側にもIIc病変があったが,X線写真では明確には指摘できなかった.




    詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


    (記:細見 聡)

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