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第269回9月度例会 活動風景  2008.9.6

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 岸和田のだんじり祭も終わり,ようやく秋の気配が感じられるようになりました.
例年この時期は台風の季節なのですが,今年は何か変ですね?沖縄地方は別ですが大阪では4月頃に台風が接近しただけでそれ以降は何もない状態です. こういう年は最後に巨大な台風が上陸するかも知れませんね.
その代わりというのも変ですが,狭い区域に100mmを越えるという猛烈なゲリラ雨が降り,神戸では鉄砲水で川で遊んでいた子供達が巻き込まれ,東京では下水道で作業されていた人達が流され亡くなるという悲しい出来事がありました.どちらも一気 に降った雨が押し寄せたためですが,コンクリートで固められた都市がもたらした災害と言えそうですね.ゲリラ雨自体も都市のヒートアイランド現象のためと言われています,天災ではなく人災とは言えないでしょうか?

 それでは台風にも,ゲリラ雨にも負けず研究会頑張りましょう.スタートです.

今回の参加者は 52 名です.



プログラム1 第1症例検討

 婦木監査が司会を担当しました.
尾畠会員が指名され読影が始まりました.検診施設の症例であり,初年度と2年後の写真がそれぞれ提示されました. 初年度の写真において病変が指摘出来るかどうかですが,読影者,田中(幸),吉本が異常所見を指摘しましたが, 司会者はこの写真でははっきり指摘するには無理があるとし2年後の写真が提示されました.

尾畠:前庭部後壁に陥凹性病変がある,小彎線は越えていないと思う,大きさ40×30mm.陥凹底はのっぺりしている. 強い圧迫でも残っており深い,ヒダの集中があり中断が見られる.周りにはビランが数個見られる,悪性と考える.

井上(啓):指摘された陥凹の肛側にも陥凹がある,前壁のものと考える,後壁の陥凹は内に凸,2つの陥凹は繋がっていると思う,集中するヒダ先端は太い.悪性であり,深達度はSMだと考える.

森永:陥凹は深いが柔らかい,ヒダの先端は太いがおとなしい,MLを疑う.

井上(清):小彎線は後壁の陥凹のど真中であり,病変は前後壁に存在するkissinng ulcerであり悪性とはとらない,悪性所見に乏しく,ヒダの先端も綺麗である.

結果は深達度MPの進行癌であった,病変の柔らかさが多くの意見に分かれたものと思われました.



詳しい結果,X線写真等は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 レクチャー 『研究会で教えてもらったこと』


 米谷幹事が担当しました.
前年度担当したレクチャー「失敗したこと,失敗しそうになったこと」をふまえて.何故病変を見つけられるようになったかを解説しました.
病変は見つけに行かなければ撮れないと力説され,横胃の胃角部の撮影方法,穹窿部後壁撮影,穹窿部腹臥第1斜位の像ついて説明してゆきました.

次にシェーマを描く重要性について詳しく解説を行いました.



詳しい内容は,<限定ページ>を御覧下さい.


プログラム3 第2症例検討

 中村幹事が司会を担当しました.
 婦木,西川,両会員が指名されました.

【立位充盈像のチェック】
婦木:空気量が多いがバランスは悪くはない,体中部大彎に胃外と思われるが石灰化陰影がある2´で,体下部大彎3番,十二指腸に憩室か, 圧排所見もあり2番,体上部中央部に陥凹の疑い2番でそれぞれチェック.

西川:体下部大彎は4番,そのやや下の直線化部分を3番,体上部中央の婦木が指摘した部位より少し下の部分3番でそれぞれチェックします.

田中(幸):前庭部十二指腸と重なるが3番,胃角も3番でそれぞれチェック.

【全フィルム】
婦木:指摘した部位に病変はない.病変は体中部前壁小彎寄りに陥凹性病変がある. 大きさ7×5mm位の小さな陥凹,周囲に細かく淡いはみ出し様所見と反応性の顆粒様隆起が見られる. 陥凹には悪性所見はなく淡いはみ出しが悪性,III+IIc深達度M中分化型とします.

西川:悪性所見に乏しく良性も考えたが第2症例に出てくる症例なので悪性と考え,陥凹+はみ出し+隆起,婦木とほぼ一緒であるが,年齢から考えて未分化型か.

井上(啓):こういう症例は,単発ビランかIIcかを考えるだけである.陥凹があり,棘状のはみ出しから考えてIIc分化型,IIIは無くIIcのみ.

田中(幸):良性のビランとしか読めない,あるいはパンチ痕か,穹窿部に顆粒が並んでいるIIcか.

柏木:ビランではない不整形の星忙状,IIc周りは反応隆起.

井上(清):ヒゲ状の飛び出しが病変に比べて長い特に肛側が,分化型の特徴である.単発ゆえに悪性とします.

結果は良性潰瘍であった.
西川の言うように第2症例に出てくる症例ゆえに悪性であるとの思い込みが強く,ベテラン達も間違えたものと考えるが,同じような症例が出ればまたきっと同じ結果になると思いますよ.懲りない人達ですから



詳しい内容は結果は,症例レポートを,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


(福本 弘幸)

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