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第266回6月度例会 活動風景  2008.6.7

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 6月を待っていたかのように九州南部,四国,中国,近畿の各地方が梅雨入りしました.今年は早いようですね,しかし九州北部が10日遅れになるという事になりました,これも温暖化によるものなのでしょうか.
 ミャンマーのサイクロン、中国四川省の地震のニュースも少なくなりました.
 実際にはこれからが大事なのです,両被災者数は5千万人にもなるのですから心配ですね,世界各国からの援助も行われているようですが,一刻も早く被災者の人々に笑顔が戻る事を祈りたいです.
 ミャンマー,四川省と災害が東に移動して,次は朝鮮半島か日本かもという予感がしていたのですが,嫌な予感が的中してしまいました.14日に岩手、宮城内陸地震が発生したのです.山崩れ,土石流が起き多くの被害が出てしまいました,梅雨に入り雨による地盤の緩みによって起こる二次災害も心配されます,これ以上の被害のない事と行方不明の方々の無事を願わずにはいられません.
 暗いニュースばかりですが,久しぶりに花を見に行って来ました.堺市の三宝下水処理場の紫陽花の花です,これだけ種類があるのかと思うくらいの数の花が咲いていました,いつも思う事ですが同じ木,枝から咲いているのに色が微妙に違います、不思議だと思いませんか?人間に近いのかも?兄弟でも性格がまるっきり違うなんて事は多々ですからね.1〜2週間の間咲く花のためにどれだけの手間と愛情をかけるのでしょうか,消化管の検査も同じく,良い写真を撮るためにはどれだけの熱意と勉強が必要なのでしょうか?終着点はないのですね.
 本日の第2症例の司会は,初めて担当する森野幹事です,今までに読影,レポーターは行っていますが頑張ってほしいですね,今回の担当がきっと将来あざやかな花を咲かせる糧となってほしいものです.
 それでは研究会のスタートです.

今回の参加者は 67 名です.



プログラム1 第1症例検討

 米谷幹事が司会を担当しました.
 竹森会員が指名されました.
 全フィルムが提示されました.
 体下部小彎から胃角部にかけて薄いバリウムの溜まりが見られる,一部小彎を超えて前壁に及んでいる.
 もう一箇所,前庭部小彎に不整形の陥凹性病変が存在する.
 体下部の病変は,大きさ6.5×4cm位の陥凹性病変であり,浅く内面に隆起部分がある,インゼルだと考える.周囲にはヒダ集中等はなく硬化所見も見られないが,辺縁の不整から悪性としてIIc,深達度はM,分化型,前庭部は,おおきさ1×1cm位,浅く不整な陥凹で顆粒等はない,硬さは感じられないが周囲に盛り上がり所見がある,IIc,深達度はM,ヒゲ状の飛び出し所見より分化型と考える.
 田中(幸)立位充盈像で体中部小彎線に変化がある,前庭部の病変の下側にも顆粒様所見があり,胃角のラインも硬く一連の病変と考える.癌としての悪性所見が見られない,陥凹内の顆粒も粒が揃った感じであることからMALTリンパ腫ではないかと考えます.
 井上(啓)前庭部小彎に隆起を伴う陥凹性病変,IIa+IIc深達度M,分化型だと思う.その他の部位については,胃粘膜全体が荒れており,はっきりした病変とは考えにくく胃炎性の変化だと思う.



詳しい結果,X線写真等は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 前回第2症例の説明


 綺麗なシェーマが描かれています,病変部の細かな描写,コントラストがついていて素晴らしいです,先月の岩崎会員のシェーマも綺麗でしたが負けないくらいではないでしょうか,今回が初めての担当とは思えませんね,米谷幹事の指導の賜物でしょうか?もちろん,考察等の内容も良く書かれています,次回が楽しみですね,ご苦労様でした.




プログラム3 レクチャー 『快適?胃の検査法』


 西戸幹事が担当しました.
 より良い検査をするためには,知識,技術,経験はもちろんだがさらに必要なものは?から始まりました.
 平均80点の検査の重要性を説きました(もちろん−20点は見逃しではない).
 そのためには受診者の協力は必須であり,受診者に適した撮影法が必要であると説明され具体例を上げ解説されました.
 特に参考になったのは,発泡剤が苦手な方,バリウムが飲めない方に対する撮影法についてです,それぞれ撮影法を変えて組み立てられており実際の撮影時に大いに役立つと思われました.早速取り入れた会員の方もおられたのではと思いました.



詳しい内容は,<限定ページ>を御覧下さい.


プログラム4 第2症例検討

 森野幹事が司会を担当しました.
 朝日,福本両会員が指名されました.
 充盈像のチェック
 朝日:胃外性病変はなくバランスも良い.胃角を5番で,二重造影部の噴門下部,前後壁はわからないがの粘膜付着異常部を2番で,体中部から下部にかけての二重造影部分の粘膜不整を3番でそれぞれチェックします.
 腹臥位は胃角のみを5番でチェックです.
 福本:胃外性病変はない,下垂胃だがバランスは悪くはない,胃角は正面視されていないが5番で,噴門下部二重造影部分の付着異常を2番でチェックします.
 腹臥位は胃角部を4番でチェック.
 全フィルム
 朝日:指摘した部位に病変はなかった.病変は体中部小彎寄りに非常に浅い陥凹性病変があります,辺縁は非常にわかりにくく追えない,ヒダ集中はない,粗大顆粒が4個位見られるが陥凹の中か外かについては,小彎側の2個が陥凹内で他は外であり,そこが大彎側の陥凹の辺縁です.小彎側については小彎にはかかっているが前壁には及んでいないと思います.IIcのM,未分化型だと思います.
 福本:範囲がもっと広いと思います.粗大顆粒は陥凹の中にあるとします,その肛側の大彎側にギザギザした陥凹のエッジが見られます,その中は1枚はがれたような粘膜をしており陥凹だと思います.ギザギザした陥凹のエッジと陥凹内の粗大顆粒を悪性所見だと思います.IIc,深達度M,未分化型.
 井上(啓):顆粒は陥凹内にあると考えるが,福本よりは狭い範囲ととります.
 三宅(秀):井上と同意見であったが,良く見ていくと狭い範囲の朝日の範囲が正解ではないかと思います.深達度は顆粒部分でSMとします.



詳しい内容は結果は,症例レポートを,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


(福本 弘幸)

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