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第263回3月度例会 活動風景  2008.3.1

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 関西では,奈良のお水取りが終わると暖かくなり春が来ると言われています.まさにその通りという感じですね,本当に春らしい暖かさです.
 お水取りというのは,奈良・東大寺の二月堂の修二会のことであり,天平勝宝4年(752年)に実忠和尚が始められた法会の事だそうです.旧暦2月,現在の3月1日から14日まで行われ,12日目の真夜中に行われるのが,いわゆるお水取りと言われる行事なのだそうです.一つ勉強しましたね.
 気象庁からは桜の開花予想が出されました,結構寒かったのですが例年と比べてもさほどの遅れもないようです.この活動風景が皆様に届く頃には近畿にも開花宣言が出されていると思われます.私の勤務する和歌山では桜も綺麗ですが,2月の南部市の梅の花も綺麗ですよ,さらに桜が終わると,桃山町の名産の桃の花が咲きます,桜に比しても負けない綺麗な花です.え・・・花より美味しい実の方がいいですって!確かにそうですみずみずしくて美味しいですからね.
 それでは春の風に乗って研究会のスタートです.

今回の参加者は 50 名です.



プログラム1 第1症例検討

 丹羽幹事が司会を担当しました.
 参加者がやや少ないため全員がシャーカステンの前に集まりスタートしました.
 立位充盈像のチェックでは胃角小彎に突出像が見られ,陥凹性病変が存在するのは全員の一致した意見であったが質的診断では意見が分かれた.
 白波瀬は,ヒダ集中を伴う陥凹性病変で形も円形であり,圧迫でも形が変化するので柔らかい,良性潰瘍とした.
 三宅(祐)は,集中するヒダに太まり,癒合が見られ悪性ならば進行癌であるが,柔らかいので良性潰瘍とした.
 安藤は,硬さはあるが進行癌ほどではなく悪性所見もないとして良性潰瘍とした.
 森永も回りに蚕食像もなく,進行癌とする所見はなしで良性潰瘍とした.
 三宅(秀)は,圧迫像で深い陥凹のまわりに浅い陥凹が見られ,蚕食像様であり硬さもあるとして3型進行癌であるとした,また集中するヒダがスパイラル様であることからも進行癌であると説明した.
 柏木も集中するヒダがスパイラル様であるとし,これは癌が下に潜りこんでmassを形成したためであり進行癌と読影した.
 今回の症例は,いわゆるカテゴリー1,進行癌か良性潰瘍かの読影であった.近年は薬も良くなりいわゆるulIII,IXの潰瘍の写真も見る機会がなくなってきているのが読影を難しくしたと思われる,流石にベテランの二人はそのあたりは見事に読んでいました.



詳しくは<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 日本消化器画像診断情報研究会東京大会 参加報告


 柏木画像評価委員が報告しました.
 認定技師制度について,4団体が話し合い,消化管撮影の未来のために一致して認定技師制度の新たなる構築を行うことに合意がなされ,一歩踏み出したという事です,早くの制定を望みたいものです.




プログラム3 レクチャー1 『装置等で工夫していること』


 高井会員が担当しました.
 自施設の紹介,装置の説明から始まりました.
 工夫としては,マイクをワイヤレスにしており意識せずに撮影できるメリットがある.
 手すりに駆血帯を巻きすべり止めにしている.
 転倒時の怪我防止に管球前の絞りにクッションを貼り付けている.
 等をあげたが,最も説明を費やしたのは,前壁撮影時の補助装置(小枕くん)であった.
 遠隔で操作でき,時間の節約,透視を見ながら操作できる,腹臥位圧迫にも応用できる等,件数の多い施設には良いと思われました.コストが高いのがネックでしょうか.




プログラム3 レクチャー2 『フルターンとハーフターンの違い』


 井上(清)幹事が担当しました.
 フルターンの右回りと左回り,ハーフターン,クォーターターンでのバリウムの流れと付着部位と盲点となる部分について詳しく解説がされました.
 撮影時には,その組み合わせを考え,病変のある場合はその部位にバリウムを流す撮影を行う必要性を説きました.
 特に右回りフルターンだけを行っている間接写真を撮影している施設には,大いに参考になったと思われます,ぜひ工夫を試みて頂きたいです.





両レクチャー共,詳しい内容はくは,<限定ページ>を御覧下さい.


プログラム4 第2症例検討

 井上(香)幹事が司会を担当しました.
 安藤,岩崎両会員が指名されました.
 立位,腹臥位充盈像のチェック.
 安藤:立位,噴門下部大彎部の直線化を2番でチェック.
 腹臥位,同様に同部の直線化を2番,小彎入口部の透亮像を3番でチェック.
 岩崎:体上部から下部までの小彎線の直線化が見られる,腹臥位でも同様所見が見られる1番でチェック.
 田中(幸):体中部大彎の入り込み所見,体上部中央に集中様所見が見られる2番で,体下部から胃角小彎線の直線化もある.
 三宅(秀):胃角部は田中と同様,噴門下部入口部付近に通常とは逆に湾曲したラインが見られる,腹臥位と合わせて4番でチェック,体下部大彎の膨らみも悪い.
 全フィルム
 安藤:噴門下部後壁中央から大彎寄りに存在する陥凹性病変,大きさ6×4cm,陥凹は浅くビラン様,ヒダ集中があり陥凹の外側に小さな顆粒像が見られる,大彎側からのヒダに細まり所見がある,陥凹が浅く範囲が追いづらいが飛び出し所見もあり悪性と考える,IIc+IIbあるいはIIb+IIc,深達度はM,未分化型だと思うが範囲が追いづらいので胃型の分化型かも.
 岩崎:噴門下部中央から大彎寄りに陥凹性病変があるが範囲が難しい,ヒゲ様の飛び出し所見が見られ陥凹内に顆粒が散在する,大きさは2×1.5cm 位,ヒダ集中があり一部に先細り所見,蚕食像も見られるので悪性,IIc,深達度はM.
 田中(幸):病変の範囲の意見が分かれたが,常に恒常的に見られるのは小さい範囲,蚕食像も見られ顆粒もある,岩崎よりさらに狭い陥凹部分のみのIIc.
 吉本:粘膜の変化を読んで行くと,安藤よりも小彎側が少し狭い範囲,顆粒がみられヒダとヒダのギザギザ所見,細まり等より悪性,空気大量で伸びておりM.
 柏木:ヒダ集中をきっちり読まなければならない,一点に集中しており途絶はない,中に顆粒陰影が見られる,田中の指摘した小さい範囲と考える.



詳しい内容は結果は,症例レポートを,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


(福本 弘幸)

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