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第210回10月度例会 活動風景 2003.10.4

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 10月になり,大阪にもようやく秋が訪れたという気がします.8月は雨が多く,9月は猛烈な残暑が続き,さらに台風でした.特に宮古島を直撃した台風は瞬間最大風速が80mを超える強烈なものでした.その後,韓国に上陸し大きな被害をもたらしたようです.日本では台風に対する備えはある程度は出来ていますが,韓国では普段台風の影響は少なく,対策の遅れが被害を大きくしたようです.台風に関しては進路,規模とも予想ができ備える事が出来ますが,地震についてはどうでしょうか?釧路を中心に起こった地震はマグニチュード8.0 であり規模としては阪神大震災よりも大きなものでした.被害自体は規模のわりには少なく,大きな火災もなく不幸中の幸いでした.北海道の会員の皆様の地域は大丈夫でしたでしょうか?改めて自然災害の恐ろしさについて考えさせられました.

 私の住む岸和田市では,9月14,15の両日地車(ダンジリ)祭りが行なわれました.最近ではテレビで紹介されることもあり,2日間で60万人もの観光客が押し寄せました.何処に行っても人の波です.見物どころではないですね.ゆっくり見るなんて事は無理です.そんな思いをされた方にお教えしましょう.岸和田の山手地区や他の泉州地域では10月11,12日にかけて地車祭りが行なわれるのです.見物人も少なく.ゆっくり見れます.ローカルな素朴な感じがいいですよ.地車の彫り物も近くで観察できますから是非に.ところで地車一台いくらすると思いますか?なんと最低1億円!と言いますが,実際は1億5千万円位という事です.

 さあそれでは,秋晴れの心地よい中,睡魔に負けずに研究会スタートです.

                         

今回の参加者は62名です


プログラム1 前回第2症例レポートの説明


 今回の蓮尾幹事も,司会をしレポートも書くという両方を担当しました.

レポートだけならば要点をチェックしメモに残しておけば後は楽なのですが,司会を進めながらではそうはいきません.大変な作業だったと思われます.レポートに関してはシェーマも綺麗で,考察については深達度に関して多くの意見が出てもめたのですが,詳しく解説されており会員の方々も納得されると思います.ご苦労様でした.





プログラム2 第1症例検討  

 福本幹事が司会を担当しました.

 立川会員が指名され読影が始まりました.

 病変は前庭部前壁中央にある陥凹性病変.形は不整形,大きさは1.5×1cm,陥凹は浅い.周囲には,fold集中があり,中断,先端部に一部太まり,先細りが見られる.辺縁は内に凸の不整で,陥凹内には顆粒が存在するとしました.硬さについては,硬化所見が無く軟らかいと読影し,結果としては,深達度がほとんどMのIIcであり,foldの太まりの部分でSMであるとしました.三宅(秀)会員より硬さはどんな写真で読むべきかとの問いに,側面像,空気量の違う二重造影像,圧迫像で読むとしました.そこで三宅会員は,写真を示しながら空気多量ではfoldが飛んでいること,圧迫でも周りの隆起が解らないので深達度はMであるとしました.

 結果は三宅会員の指摘したとおりの深達度MのIIcでした.
 

  

詳しい内容は,症例レポートを,X線写真,内視鏡等は<限定ページ> をご覧下さい.


プログラム3 レクチャー&ディスカッション
                  「胃X線標準撮影法 右側臥位像」
                       

 井上(清)幹事が担当しました.

自施設の撮影法についの説明から始まりました.
健診施設であるため8枚撮影で,バリウム量は120mlとの事でした.
右側臥位については,背臥位から右側臥位にする場合と,腹臥位から右側臥位にする場合についての詳しい説明がなされました.
また右側臥位では後壁側がブラインドになるためその部位の撮影を加えているとの事でした.

 続いて,本田会長による症例の説明が行なわれました.

 噴門部の位置と形が重要であり,噴門部を膨らませた写真が必要であると強調されました.

  



詳しい内容は,レクチャーレポート,会員限定ページの <こちら> からご覧下さい.


プログラム4 第2症例検討

 丹羽幹事が司会を担当しました.

三浦,米谷両会員が指名され,立位,腹臥位充盈像のチェックから始まりました.

三浦:立位では,幽門前部中央の集中様所見を4番で,入口部の狭窄様所見と噴門部の大彎部分をそれぞれ1番でチェック.腹臥位では,入口部分と噴門大彎部分を同じく1番で,体上部小彎線の硬化所見の部分を4番でチェックします.

米谷:入口部分と噴門部の大彎部分は同じく一番で,胃角部を立位,腹臥位共に3番でチェックします.

 全フィルムでの読影

米谷:胃角部は圧迫で瘢痕がある.穹窿部前壁大彎側に隆起+陥凹性病変がある.強いfold集中があり中に陥凹がある病変.陥凹の形はヒイラギ状であり不整形,内面は小さな顆粒がある.周りの隆起は下からの盛り上がりで山田I型,foldの中断はあるが太まり等はない.

三浦:前庭部に場所は違うが,小彎に瘢痕がある.穹窿部の病変は隆起+陥凹.陥凹は内に凸の不整形で浅い.大きさ1cm位,内面は凹凸はない.周りにはfold集中があり口側で中断がある.周りの隆起は下からの盛り上がりなので山田I型.

田中:foldはスパイラル様に曲がってきていて中断,太まりがある.食道への圧排があり,病変がmassを持っているためである.

三浦:食道を圧排している隆起は変わらないので硬い,下からの盛り上がりとfoldの所見より悪性,大きさ5×5cmの3型か.

米谷:側面像でガクッと変形しているので進行癌,3×3cm.

柏木:foldがスパイラルに変化するのは進行癌.食道のHis角側は硬い.癌が入っているのではないか.

井上:隆起には癌がなく下からの盛り上がりで癌は陥凹面だけである.ガチガチの進行癌ではなくSM massiveからMPパラパラか.





詳しい内容は,症例レポートを,X線写真,内視鏡,マクロ等は<限定ページ> をご覧下さい.

(福本 弘幸)

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