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第199回11月度例会 活動風景 2002.11.2 |
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11月2日,今日から三連休の始まりです.全国各地からは紅葉の便りも届き,行楽に出かける予定の方々もおられたと思いますが.突然の寒波の襲来です.秋田市,青森市では初雪が舞ったようです.大阪も風が強く吹き,寒い一日となりそうですね.しかし,こんな寒い日でも研究会は行なわれます.今回は,例会終了後に会場を移動しそのまま短期集中講座に突入するという強行日程で行なわれます.しかも参加される方々は遠く北海道,青森,富山,福岡と各地から来られ,その熱心さには幹事一同頭の下がる思いです.是非とも有意義な時間を過ごされ,満足されて帰られることを願っております.そのためにも幹事一同頑張りたいと思います.
今月の花は,先月に続いて堺市の浜寺公園にバラの花を見に行きました.ほとんどの花が満開に咲き誇り見事な眺めでした.さすがに花の女王という感じです.バラと言っても多くの種類があるのですね.色だけでなく,花の大きさや形が色々ありました.興味を持ったのは名前です.色がついたもの,地名がついたもの,人の名前がついたのも結構ありました.皆様方どうですか,新しいバラを作って自分の名前をつけるというのは.本田会長が作れば,ミキオローズ?あまり綺麗な花じゃなさそうですね.
さあそれでは寒さに負けず頑張りましょう.今回の参加者は91名です
プログラム1 前回第2症例レポートの説明
あれはどれ位前だったでしょうか?今口会員が初めてレポーターを担当した時のことです.汗びっしょりになりながら,懸命に説明をしていた姿を今も思い浮かべます.あの時の彼を見て,自分が初めてレポートを担当した時のことを思い起こした会員の方々もおられたと思います.
今回は,少し慣れたのでしょうか,落ち着いており,説明も見事にこなしていましたし,レポートも良く書けていたと思います.頑張りましたね,ご苦労様です.次も期待しています.
プログラム2 第1症例検討
井上(清)幹事が担当しました.
能瀬,山本両会員が指名されました.立位,腹臥位充盈像のチェックから始まりました.
能瀬:立位では,前庭部大彎部を3番,胃角を3番でチェック.
腹臥位は,胃角部に透亮像が見られ2番でチェック.
山本:立位,胃角を3番で.腹臥位,胃角部に透亮像があり1番で,体上部二重造影部を3番,大彎部のギザギザした部位を3番でチェック.
田中幹事:噴門下部にはじき像があり隆起性病変を疑う,その下側にもバリウムフレッ クがあり一連の病変と思われる.
全フィルムでの読影.
能瀬:体上部後壁大彎寄りが中心で噴門下部にも一部かかっている集中のある陥凹性病 変で,陥凹は浅く無構造に近い.foldは,口側は先細りが肛側は中断がある.空気量の違いにより陥凹が拡がっているので硬くはない.病変の範囲は陥凹のみで, IIc,深達度M,未分化型.
山本:能瀬会員と殆ど一緒だが,陥凹の辺縁がつるっとしているのが気になる.口側, 肛側のfold共に変化がある,IIc,深達度SM,分化,未分化は解らない.
田中:陥凹は少し深い,大彎に変化はあるが,空気で伸びている,SMmassiveか.
井上(啓):大彎の変化より進行癌である,陥凹が浅いのは下から盛り上がっているため であり,肛側のfoldを見てもスキルスのfoldである.
小川:この写真を見ると,バリウムが下に落ちないで上に上がっている,これは粘膜下に腫瘍が浸潤している所見であり,スキルスタイプの進行癌です.
続いて,内視鏡,マクロが提示されました.
詳しい結果及び症例写真は限定ページを御覧下さい.
症例画像は,限定ページ 症例ダイジェスト
プログラム3 レクチャー 「残胃の撮影法」
埼玉県立がんセンター 腰塚 慎二先生腰塚先生による残胃癌と残胃の撮影法です.
残胃癌について詳しく説明されました.
残胃癌は吻合部に多く,早期癌はIIaが多く,進行癌は3型が多い.
Billroth II法は吻合部に多い,Billroth I 法は小彎,後壁,吻合部,縫合部の順に多い.,検査法は再建法により違う.残胃の有効な造影法は二重造影と薄層法の組み合わせが有効であると話されました.次に,職場での撮影法を詳しく説明し,続いて症例写真を提示し解説されました.
詳しい内容は,蓮尾幹事が担当するレクチャーレポート,会員限定ページの <こちら> からご覧下さい.
プログラム4 第2症例検討
レクチャーに引き続き腰塚先生が司会を担当しました.
症例もレクチャーに関連して残胃の症例です.
38年前に十二指腸潰瘍で手術した残胃だそうです.
森永会員と北海道より来られた高橋会員が指名されました.
森永:術式はBillroth II法の残胃です.病変の数は2個,一つはハジキ像として見えて いる.後壁小彎寄りに5cm強の類円形の隆起性病変があります.
高橋:私も病変は2箇所あると思います.隆起性病変の大彎側に小彎より集中のあるバ リウムの溜まりがあり,その大彎側につるっとした隆起がある.さらにその周り に粘膜の異常部があり,隆起は陥凹の中にあり癌が下に潜ったためと思う.
森永:浅い陥凹があり,エッジをたどってゆくと隆起は陥凹の中にある.大きさは5× 3.5cmで先程の病変とは,病変の性状,組織型が異なるので連続性はない.
1cm位離れている.隆起性病変は表面に凹凸不整はあるが陥凹はない.側面像よ り5mm程度の高さであり,ゆるやかな弧状変形がある.大きさ,表面性状より確 率的に1型の進行癌とする.分化型である.大彎に近い病変は未分化型と思う.
病型はIIc,深達度はSMとする.
高橋:隆起性病変は1型,陥凹性病辺はIIcで隆起部分でSMとします.
田中幹事:1型の進行癌ですが弧状変形はもっと強いのでは,陥凹性病変のほうは,
foldが陥凹の中まで入り込んでいて,周囲も盛り上がって見える.陥凹のエッジ も良く解らないので分化型と思う.二つの病変はつながっており一連の病変である.
井上(啓):陥凹のエッジには蚕食像があり未分化型である.陥凹の中の山田I型の隆起 部分は深達度が深い.この部分でSMに潜っている.隆起性病変は大きさと側面像 より1型の進行癌.二つの病変の間には正常粘膜部があり一連の病変ではない.
小川相談役:隆起性病変は表面に粘膜欠損があり無構造なことからIIaではなく1型進 行癌.陥凹性病変については,深い部分をIIIとし,IIc+III,深達度はSM以深の進行癌.2つの病変は表面的にはつながっていないが,下でつながっている可能性がある.
続いて内視鏡,マクロ,病理組織が提示されました.
果して2つの病変の深達度は?一連の病変なのか別々の病変なのか,意見は分かれました.
結果及びX線写真,内視鏡は限定ページ症例ダイジェスト を,症例検討については症例レポートをご覧下さい.
(福本 弘幸)
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