182回例会 (2001.06.02)
梅雨も近いのでしょうか,ここ数日来雨の降る日が多くなってきました.しかし,今日は久しぶりに雨も上がり,気持ちの良い日となりました,これも会場に来られた会員の皆様の日頃の行いの賜物でしょうか? 最良の研究会日和といったところですね.それでは会員の皆様,研究会頑張りましょうか.
えー・・早く終わってサッカーを見たい.そうです今日は日本対カメルーンの試合があるのです,それでは旨いビールを飲みながら日本の勝つ試合を見るためにも研究会頑張りましょう.
今回の参加者は 72名.プログラム1 前回第二症例レポートの説明
レポーターの矢竹氏は,先月の武智幹事に引き続き今回が初めてのレポート担当です.しかも今回は三週間の期間しかなく,時間にも追われ大変苦労されたもの思われます.しかしレポートは,とても初めてとは思えない位に良くまとめられており感心しました.矢竹氏本人の努力もあるでしょうが,小林,蓮尾両幹事,久保前幹事のおられる職場の雰囲気がそうさせるのでしょうか.
プログラム2 症例検討 第1症例
西村幹事が担当しました.
先月レポートを担当してかなり勉強されただろうとの事で,矢竹氏が指名されました.
ルーチンのX線写真が提示され,胃角小彎から後壁にかけて隆起性病変が存在すると読影した.
次に内視鏡について本田会長の説明が行われました.
続いて精査のX線写真が提示され,隆起のまわりに陥凹がある大きさ2.5×3.0cmの病変があり,隆起自体は結節状で大きさ1.5×1.0cm IIc + IIa であると読影しました.
会場の意見はほとんどが隆起のみであるとのことでした.IIc + IIa の意見もありましたが,IIc の中にIIa がある病変は見たことがないIIc の中の隆起ならばインゼルではないかとの意見が出され,病変は隆起のみという方向になりました.さらに会場より1.5×1.0cm ならば悪性の可能性は低いのでは,2cm を目安とするとの意見が出されました.司会者よりそれが今回のテーマであるとのことででした.
結果は,内視鏡下で切除された 1.0×1.0cm のIIaでした.
今回のテーマについて司会者より,大きさからは 2cm以下であり悪性であるとはいえないが,大小不同の顆粒が存在することより悪性といえるとした.撮影では透視中の観察が重要であり,写った写真ではなく撮った写真が大事であると強調されました.
プログラム3 レクチャー 「胃X線読影の基礎講座(2)」
本田会長が担当しました.
市川平三郎先生の最新著書,「胃X線読影を極める」に学ぶという内容です.
今回は,充盈像の変形について多くの説明がなされました.
最初に,読影のコツ(正しく読める人と読めない人との違い)として,
をあげ,続いて各臓器,ガス等の圧排による変形について詳しく説明がされました.
- 曲線の不連続を探す
- よく撮れている写真を探す
- 埋もれている所見を探し出す
- 摘出した胃のX線写真
次に,胃充盈像の読影(変形)について
の6項目を示し,各変形について例をあげて説明をしました.
- 胃全体のバランスをみる
- 胃角の形に変形があるか否かをみる
- 胃小彎,大彎の辺縁の変化をみる
- 胃前庭部全体の形と辺縁をみる
- 噴門と幽門を特に注意してみる
- 大彎と胃穹窿部は,再び注意してみる
続いて,胃角の変形についての説明が行われましたが詳しくは限定ページをご覧ください.
プログラム5 症例検討 第2症例
西戸幹事が司会を担当しました.
今回は,江頭先生による内視鏡,マクロ,病理の詳しい説明がありました.
詳しい内容は症例レポートをご覧ください.
症例写真は <こちら> から.