181回例会 (2001.05.12)
樹々の若葉も鮮やかな緑色に染まり,ビル街を吹き抜ける風も心地よく感じるようになりました.遊びに,勉強に最も過ごしやすい季節です.例会に参加された会員の方々も,本田会長のレクチャーが子守唄のように聞こえ,思わずこっくりこっくりとなるのではないでしょうか.睡魔を追い払って,それでは5月例会のスタートです.
今回の参加者は 76名.プログラム1 前回第二症例レポートの説明
レポーターは,新しく幹事の仲間入りをした武智幹事です.しかも今回が初めてのレポート担当ということでかなり緊張したと思われますが,さすがに場慣れしているのでしょうか,実に見事な説明ぶりでした.レポートの最後にも書かれていますが,武智幹事自身のお母様が本症例と同じスキルスであったとのことで,今回のレポートを書くにあたっての思い入れもかなりのものだったと思われます.
本会の目標は,「一人でも多くの救命可能な癌の発見」ですが,それと共に,小川相談役がいつも言われる,撮影する時は自分の肉親と思って撮影しなさいと言うことが,改めて思い起こされました.
プログラム2 症例検討 第1症例
岩瀬幹事が担当しました.
画像評価を中心とした症例検討が終わり,今年度より担当者がテーマを決めて行うことになりました.今回のテーマはいったい何なのでしょうか? 全フィルムが提示され桑江氏が指名されました.
病変は前庭部後壁小彎寄りにある隆起+陥凹性病変であり,形は類円形いわゆるドウナツ状である,陥凹は周りが刺状でギザギザしている.陥凹底は凹凸があり深い(強い圧迫でもバリウムが抜けない)隆起は高く山田II型で表面にはアレアがあり,圧迫では結節状にも見えるが強い圧迫ではとんでしまい硬さがない.以上より形態的には2型進行癌であるが深達度はSMであり2(I+III)型早期癌であるとした.
次にマクロが提示され,X線写真と同様に早期癌と思われたが実際はSSに達する進行癌でありました.そうなのです.今回の司会者の考えたテーマは深達度についてだったのです.そこでもう一度写真を振りかえって見ますと,圧迫により隆起の幅が違うことと結節様に見える部分がある事から進行癌と言える? しかし病変が小彎線にかかっているにもかかわらず硬化所見が見られない.会員の皆さんどうお考えですか?
今回は非常に難しいテーマでした.詳しくは限定ページをご覧下さい.
プログラム3 最優秀レポート賞の表彰
最優秀レポート賞は,昨年7月度にレポートを担当した米谷氏に決定しました.
改めてレポートを見ますと,さすがに最優秀レポート賞を受けるに価するもので,シェーマ,考察共に非常に良いものだと思います.
会員の皆様,来年の最優秀レポート賞はあなたかもしれません.レポートを書いてみようという方は幹事までご連絡下さい,懇切,丁寧にお手伝い致します.
最優秀レポート賞の賞品は結構いい物らしいですよ?
プログラム4 レクチャー 「胃X線読影の基礎講座(1)」
本田会長が担当しました.
今回は,1999年6月に改訂された胃癌取扱い規約についてのレクチャーです.
特に我々に必要な項目を重点に説明がされました.
胃癌占居部位について,C,M,A,からU,M,L,に変更された.
深達度はT分類で記載,詳細にはM,SM,MP,SS,SE,SIと大文字で記載する.SMへの浸潤について粘膜筋板から0.5mm未満のものをSM1,それ以上がSM2となった.切除断端における癌浸潤の有無の判定については,口側oww ,肛門側aw,から,近位(口側)PM,遠位(肛門側)DMで表記される.
その他にも多くの説明が行われましたが,詳しくは限定ページをご覧下さい.
プログラム5 症例検討 第2症例
小林監査が司会を担当しました.
詳しい内容は症例レポートをご覧下さい.
症例写真は <こちら> から.