177回例会 (2001.01.05)

<12月  2月>

 会員の皆様,新年おめでとうございます.ついに21世紀の始まりです.
 20世紀は消化管検査が著しく進歩しました,特に胃透視においては二重造影が開発され,さらに諸先輩の方々の努力により胃の検査の中心となりましたが,現在は内視鏡にその座を奪われているのが現状です,果たして21世紀はどうなるのでしょうか,暗い話になりましたが,そうならないためにも,我々放射線技師が頑張らなければ,胃透視の未来は無くなってしまいます.
 さあ皆さん次の世紀に向けて頑張りましょう.それでは1月例会のスタートです..
今回の参加者は 68名


プログラム1 なんでもQ&A!

今月は,某先生の胃(技師泣かせの瀑状,牛角胃)を側面から撮影した写真が提示されました.私たちは通常,天板に対して垂直方向の像を見ており,水平方向から胃を見ることはめったにありません.しかし,視点を変えることによりX線検査時の胃の解剖(牛角胃の背臥位二重造影像の成り立ちや,なぜ穹窿部の前壁,いわゆる頂上部の撮影が難しいのかなど)について理解を深めることが出来ました.一度あなたの撮影法も視点をかえて見直してみませんか?
よろしければQ&Aまで….


プログラム2 前回第2症例レポートの説明

 20世紀最後のレポートを担当したのは永渕氏でした,年末,年始をはさんでのレポート作成は大変だったと思われます,しかしレポートの内容は,陥凹,隆起,硬さについて,それぞれに詳しく説明がなされており,さらに撮影についても非常に良く解るように記述されている素晴らしい内容のレポートでした.


プログラム3 症例検討 第1症例

 小川相談役が担当しました.
 今回のテーマは噴門部です.
 会場の全員に展開図が配られ,いきなり噴門部をそこに描いて下さいと言う事から始まりました.
 自信を持って描かれた方は?の問に会場からの声はありません,噴門部の位置はわかるのだがその範囲がはっきりとわからないというのが会場の方の意見でした.
 小川より,食道胃接合部から食道,胃側にそれぞれ2cmの範囲であるとの説明に,会場では初めて聞いたという方が殆どだと感じました.
 読影については,井上(啓)が指名されました.病変が食道か胃かどちらに存在するのかが非常に難しいようです.小川より,食道と胃の間であるジグザグラインが重要であるとの説明があり,この部位の病変はリンパに転移しやすく,下に潜りやすいとの事で,撮影では入口部の開いた写真と閉じた写真が必要であると強調されました.
 今回の症例写真では,ジグザグラインも良くわかり,入口部の開いた写真,閉じた写真,病変部も綺麗に撮影されていましたが,果たして自分達が撮影すればとてもこれほど素晴らしい写真は撮れないというのが,私も含めた会場の多くの意見だと思われます.
 しかし,21世紀にあたりもう一度初心に戻り,救命可能な病変を見逃さないために頑張って研究会で勉強してゆきましょう.

症例写真は <こちら> から.


プログラム3    レクチャー 『胃癌組織型の鑑別』

 本田会長が担当しました.
 初めに分化型,未分化型について陥凹面,陥凹辺縁,粘膜ヒダ,ヒダ集中についてそれぞれの特徴を挙げ,それを比較し,分化型,未分化型の違いを説明しました.
 例をあげると,陥凹内に大小不同の顆粒がある場合,顆粒が多くある場合は未分化型,棘状のはみだし,クツワ並びがある場合は分化型,陥凹周囲に隆起があり陥凹内に顆粒が無い場合は両方の可能性がある等ですが,詳しくは,レクチャーレポートを御覧下さい.
 次に症例写真を提示し,実際の写真上での分化型,未分化型の違いを解説しました.
 さらに未分化型では,AGLとの違いを,分化型では,瘢痕との違いについて症例を提示しながら詳しく説明されました.これは大変参考になったものと思います.
 最後に読影力が向上する6つの絶対条件を挙げました.

 ・疾患を知る(知らないものは答えられない)
 ・疾患に関する知識を豊富にする(成書を読む)
 ・症例を数多く見る(研究会に継続して参加する)
 ・症例のシェーマを描く(症例レポートを書く)
 ・間違った原因を追求する(反省する)
 ・臨床病理の勉強をする(裏付け,理論化)

 思えば,この研究会に参加したころは,6つの条件に当てはまるそれなりの勉強をしていた思うのですが,最近は参加しているだけのような気がします,何度も言うようですが21世紀ももう一度初心に戻り頑張りましょう.会員の方々も是非出来るだけ研究会に多く御参加ください.

 詳しい内容は  <こちら> を御覧下さい.

プログラム4 症例検討 第2症例

峯山幹事が司会を担当しました.
 詳しくは,例会レポートを御覧下さい.

症例写真は <こちら> から