176回例会 (2000.12.2)
いよいよ20世紀最後の12月例会となりました.21世紀の大阪消化管撮影技術研究会はどう進んでゆくのでしょうか,21世紀には胃癌だけでなく,全ての癌が薬物や遺伝子治療等で治せるようになるのでしょうか?・・・胃透視そのものが無用となってしまうのでしょうか?・・・まあ暗いことは深く考えず,例会終了後の忘年会で明るい21世紀について語り明かしましょう.それでは12月例会のスタートです.
今回の参加者は 67名受付風景
プログラム1 なんでもQ&A!
今月のQ&Aは小林事業監査が担当し,誤嚥に関してのアンケート回答をもとに結果の発表と考察を行いました.ある検診機関で,受検者50,587人の誤嚥する確率をバリウムの濃度別に比較すると,高濃度(200%)で0.04%、低濃度(145%ゾルタイプ)で0.019%となり,高濃度バリウムが誤嚥し易いと思われました.その他,誤嚥下事故を防ぐための工夫や,事故後の説明,処置などにも言及しました.幹事全員が誤嚥の経験があったのには新入会の会員にとっては意外なようでした.
プログラム2 前回第2症例レポートの説明
今回の例会は,前回の例会から3週間しかなくレポーターは時間的に大変だったと思われます.
しかも担当の蓮尾幹事はホームページのレクチャーレポートも担当しており,二倍の苦しみだったのでは・・・.しかしレポートの出来は素晴らしく,特にシェーマは非情に綺麗に描かれており,短期間によくこれだけのものが出来るものだと感心しました.短期集中が良かったのでしょうか.
プログラム3 症例検討 第1症例
井上(啓)画像評価委員が担当しました.
今回のテーマは穹窿部前壁です.
全フィルムが提示され,区域については寺田,田中両幹事が指名され,キーフィルムに区域を引いてゆきました,さすがにベテラン幹事の両氏は良く理解しておられ,殆ど同じように出来ていましたが大彎線のみが少し違っていました,それについては井上が,自作の胃模型を用いてスライド上で詳しく説明されましたので会場の方も大彎線,小彎線の走行についてはよく理解出来たと思います.
病変については,林,馬渡両氏が指名されました,大きな病変のため位置の同定が難しく,井上より食道の写った写真で見るべきであると指摘があり,多くの写真を組み合わせて立体構築する事が大事であるとの説明がなされた,特に今回の症例では側面像の必要性が改めて重要だと思いました.
症例写真は <こちら> から.
プログラム3 レクチャー 『バリウムを流しにくい部位の撮影法』
峯山,井上(清)両幹事が担当しました.
峯山幹事は,健診での撮影時の透視モニターを録画し,そのビデオを流しながら自身の撮影の説明を行いました,健診においては,枚数,時間に制約があるために,特に透視観察を重要視しているようであり盲点となる部位は丹念に圧迫を用いて検査されていたのが印象的でした.本田より,透視観察が素晴らしい,特に大彎側が良いとの評価でした.井上(啓)は,盲点が良く解っていて圧迫で撮影している,撮るタイミングが良いという事でした.
井上(清)幹事は,バリウムを流す(漂流法)ことの必要性を説明しました.
撮影する部位にバリウムを溜めゆっくりとバリウムを抜きながら撮影する,出来ない部位は圧迫でカバーするとのことで,透視は病変を見つけるためにバリウムを移動,撮影は病変の性状を知るためにバリウムを移動させるとの説明をし,次に症例写真を提示し一例一例を詳しく解説してゆきました,特に印象に残った事は,漂いぎわを撮影する場合におじぎをしながら台を立て撮影するということでした,井上によると,それが実際の正面像とのことです.さらに井上は穹窿部天井部分の撮影についてその部位までバリウムを流すには,腹臥位第1斜位でめいっぱい(40度位)頭低位で息を吐くことがコツであるとし,自身は必ず撮影しているとのことでした.
峯山,井上(清)両幹事の撮影について共通する事は,透視観察の重要性と,圧迫を駆使して盲点部を盲点としない所だと思いました.
詳しい内容は,会員限定ページを御覧下さい.
詳しい内容は <こちら> を御覧下さい.
プログラム4 症例検討 第2症例
高井幹事が司会を担当しました,
詳しくは,例会レポートを御覧下さい.
症例写真は <こちら> から
忘年会
20世紀最後の忘年会は,ライオンズホテルにて行われました.
症例写真は <こちら> から
- 既に会員登録をお済ませの会員は <こちら> よりどうぞ
- 既に2000年度登録会員の方で,登録がお済みでない方は <こちら> でお手続きください.メールマガジンも配信しています.
- 会員登録をご希望の方は <こちら> から.