[5月例会]
を表示

第325回6月度例会 活動風景  2013.6.1

[7月例会]
を表示

記録的な早さで梅雨入りが発表された大阪ですが、その後はあまり雨が降っていません。
これは梅雨入り前に北に蛇行していた偏西風が南寄りに変わり、湿った南からの暖気が日本列島に届かず、 梅雨前線も離れて停滞したままになっているのが原因のようです。
そのために、5月から6月初めにかけての雨量は例年に比べて大阪で28%、名古屋で38%、東京は28%という状態であり、このままでは節電に加えて節水が必要になってきそうな気配です。
水害は困りますが、ある程度の雨を期待したいと思います。これからは増々暑くなりますが、お体には気をつけて下さい。

暑いと言えば、ワールドカップ出場を決めたオーストラリア戦は熱かったですね。
もう駄目かと思われたロスタイムに得たPK、決めればワールドカップ出場世界一番乗りという状況下で、プレッシャーを物ともせずゴールを決めた本田選手、見事ととしか言いようがありません。
これまでの経験のたまものなのでしょうか。
本番のブラジルワールドカップが楽しみです。

それでは我々も、暑さにもプレッシャーにも負けず頑張りましょう。研究会のスタートです。

今回の参加者は 73 名です.



プログラム1 第1症例

白波瀬幹事が司会を担当しました。

病変発見前年の写真を提示し、チェックが出来るかを問いました。
向井会員が指名され、上部食道の隆起性病変を指摘しました。
会場から田中(幸)は胃のチェックは困難とし、腹部食道の壁硬化を指摘しました。

次年度、病変発見時のフィルムの読影において向井は、幽門前部〜幽門をチェックし、apple-core 様所見を認めることより大きさ4cm程度の全周に及ぶ2型ないし3型進行癌を考えました。

田中(幸)も同様に進行癌を疑いましたが、悪性の根拠として十二指腸球部を胃側から圧排する所見と、P-ringが伸びている事をあげました。
又隆起の立ち上がりは、十二指腸側は山田II型で急峻ですが、胃側は山田I型でなだらかになっていると指摘しました。

吉本より、狭窄部にfoldが走っていて明らかな上皮性の変化が見えませんが、このような進行癌があっても良いのかとの指摘 がありました。

他施設において、内視鏡検査を施行するも生検結果はGroup1でしたが、症状が続くために超音波内視鏡を施行すると、全層性の壁肥厚が見られ手術に至りました。

手術後の病理結果は4型進行癌。


詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


プログラム2 前回第2症例の説明

藤本幹事が説明を行いました。
今回の症例は、深達度の読影が問題となりました。考察では、癌の発生由来から見た深達度読影として詳しく説明されています。
この考察を見れば、今回の症例のポイントについて充分理解出来ると思います。
ご苦労様でした。次回も期待しています。




プログラム3 レクチャー&ディスカッション

『基準撮影法と標的部位について』
吉本会長が担当しました。
基準撮影法1、2が胃の全区域を網羅しているのかについて、大阪消化管撮影技術研究会の臨床画像評価法の区域描出能評価を用いて検証しました。

又、各撮影体位について標的部位を示し、盲点部位や体位変換時の注意点について症例を用いて詳しく解説されました。


詳しい内容は, 限定ページレクチャー をご覧下さい.


プログラム4 第2症例検討

細見幹事が司会を担当しました。

今回の症例は、検診の写真と精査の写真による読影です。
桑原、井上(香)の幹事2名が指名されました。

検診写真での読影

桑原:胃角部大彎に変形が見られます。
これは背臥位第2斜位像、圧迫像でも恒常的に写っており、陥凹性病変の存在を疑います。

井上(香):胃角部大彎に伸展不良があり、陥凹性病変の存在を疑います。
背臥位第2斜位像ではヒダ集中様所見を認めます。

 精査写真の読影
 
井上(香):胃角部大彎に陥凹性病変が存在します。
ヒイラギ状を呈し、ギザギザとした飛び出し所見があると思います。
大きさ15×15mm、圧迫撮影において内面に4〜5個の顆粒が見られます。
ヒダ集中を伴っており、先端には若干の太まり所見を認めます。
硬さについては、空気量が増えるとヒダが不明瞭となり基本的には柔らかい病変と考えますが、立位充盈像の変形よりある程度の硬さはあると考え、IIc、SM、未分化型と読影します。

桑原:胃角部大彎に陥凹性病変があり、大きさ20×20mm。
陥凹底には大小不揃いの顆粒が数個あり、辺縁には蚕食像も見られます。
ヒダ集中を伴っており、一部にペン先様の所見を認めます。
硬さについては立位充盈像の変形と、空気多量で一見病変が伸展しているように見えても形が変わらないことより、ある程度の硬さをもった病変と考えます。
しかし、陥凹底に顆粒が残存していることより進行癌ではないと判断し、IIc、SM、未分化型だと思います。

井上(清):ヒダ集中はないと思います。
硬さについても、病変が彎側を跨ぐ場合にはこの程度の変形は出ると思うので深達度はM。
背景粘膜からすれば未分化型だと思いますが、圧迫で陥凹の周りに反応性隆起があり、顆粒も目立たないので分化型の要素も含まれているとし、tub2と判断しました。

小川:立位充盈像で壁変形があり、深達度がMとは考えられません。

佐藤:ヒダ集中があることより、硬化所見の要因は悪性サイクルによる繊維化と考え、深達度はMとします。

結果は深達度MのIIcのでした。
病変部に一致して繊維化があり、立位での変形の要因と考えられます。


詳しい結果,X線写真,マクロ等は<限定ページ>をご覧下さい.


(記:福本 弘幸)

[5月例会]
を表示

第325回6月度例会 活動風景 2013.6.1

[7月例会]
を表示

▲ RETURN TO TOP PAGE  ▼