187回例会 (2001.11.10)
<10月 12月>
晩秋の11月です.全国各地から紅葉の便りが届いていますが会員の皆様の地域はいかがでしょうか.大阪では御堂筋の銀杏並木も黄金色に変わり始め,ビルの谷間を吹き抜ける風も頬にひんやりと感じられ,冬の訪れが近づいていることを告げているかのようです.
当研究会では,11月3,4日に一泊研修会を開催いたしました.読影のパワーアップということで殆どが症例検討というハードなプログラムでした.今回の研修会で最も驚かされたのは,全参加者44名中11名の方が大阪以外からの参加だと言うことです.それだけ当研究会が各地の方々から注目されているということでしょうか?とすれば,次年度の短期集中講座にも参加される方が増えるのでしょうか?幹事一同かなりのプレッシャーがかかりそうでね.それではプレッシャーにうち勝つためにも研究会頑張りましょう!11月例会のスタートです.
今回の参加者は 62名.
プログラム1 前回第2症例レポートの説明
レポーターの田中幹事は何度目のレポートなんでしょうか.さすがにそつがなく説明も安心して聞いていられます.レポートの内容は的確で,シェーマも綺麗に描かれ,考察も詳しく,解り易く書かれており感心させられる出来だと思います.
最優秀レポート賞をねらっているのでしょうか.
プログラム2 症例検討 第1症例
蓮尾幹事が担当しました.
会場より丹羽会員が指名されました.
立位,腹臥位充盈像が提示され,丹羽会員は胃角部,前庭部の小彎,大彎の変化をチェックしました.続いて全フィルムが提示されました,病変は胃体下部後壁中央に存在し,fold 集中があり,陥凹内に顆粒が一つある,病変の大きさは判らないがIIcではないかとの意見であった.fold 集中については会場より,立位充盈像でも指摘できるとの意見があり,本田会長が立位充盈像でのfold 走行,集中像の読み方についての説明が行われた.悪性の根拠はとの問いに,会場の久保氏より集中するfold の先端に段つきがあるとの意見が,田中幹事より蚕虫像があるとの意見が出されました.
続いてマクロが提示されましたが,マクロにおいてもfold の先端の変化は指摘できるが,範囲は非常に解りにくいとのことでした.先月の第1症例においてもそうでしたが,悪性の根拠に乏しい症例では,集中するfold を一本づつ丁寧に見てゆくことの重要性が改めて問われた症例だったと思われます.
詳しくは,限定ページをご覧下さい.
症例写真は <こちら> から.
プログラム3 レクチャー 「胃X線読影の基礎講座 (4)」
本田会長が担当しました. 先月に引き続き陥凹性病変についてのレクチャーです.
前回の復習として悪性の根拠をどれだけ指摘できるかについてから始まり,分化,未分化の違いについての説明が行われました.
続いて陥凹性病変の読影として,
陥凹にバリウムの溜まった写真で境界を見つける.壁集中の先端をつなぎ境界を追う.アレアパターンの変化のあるところで境界を追う.圧迫で陥凹のエッジを探す.をあげ,それぞれについての詳しい説明がありました.
次に陥凹型胃癌の深達度読影については.
等を示し,各項目ごとに説明がなされました,しかし読影のためには,良悪性の解る写真,深達度の解る写真が必要であるとして,そのための勉強法としてシェーマを描く重要性を強調しました.
- 病変の大きさ
- 粘膜壁の先端の性状
- 陥凹底の顆粒状変化の有無や配列状態
- 陥凹の深さ
- 圧迫像における周囲の透亮像の現れかた
- 辺縁の異常像の現れかた
- 空気量の変化による粘膜襞の動きの有無
そこで米谷幹事が描いたシェーマについて,シェーマのプロ,名人といわれる鎌田編集委員がキーフイルムと比較しながら詳しく解説されました.会場の会員の方々も大いに参考になったと思われます.最後に本田会長がシェーマを描くのが上手くなるには,症例レポートを書くことですと締めくくりました.
それでは会員の皆様,2002年のレポーターは貴方かもしれません?
詳しい内容は限定ページをご覧下さい.
プログラム3 第2症例検討
峯山幹事が司会を担当しました.
詳しい内容は症例レポートをご覧下さい.
(福本 弘幸)
症例写真は <こちら> から.