169回(5月度)例会活動風景 (2000.5.13.)
ゴールデンウイークも終わり,休みボケした頭と疲れきった体がようやく仕事に馴れ始めた週末,第169回大阪消化管撮影技術研究会が始まりました.今回の参加者は82名でした.
プログラム1 なんでもQ&A!
吉本が司会を担当しました.立位充盈像で胃体上部後壁にIIc様病変を認識し,バリウムの流出は無視出来るという判断のもと撮影を開始しましたが,実際には胃にローテーションがかかり十二指腸が病変と重なり病変描出に苦労した症例が提示されました.
いかに胃の位置が体位により変化するのか,どうすれば十二指腸に流さずにしかも後壁のバリウム付着を向上させ読影し易い写真を撮ることが出来るのかを会場の皆さんと一緒になって考えました.
初級者の会員にとっては見逃せない,聞き逃せないコーナーとなっています.
プログラム2 前回第2症例レポートの説明
報告者の田中は,さすがベテランと思わせるレポートの内容でした.シェーマも詳細に描かれており考察も非常に詳しく判りやすく書かれています,是非レポートを御覧下さい.
プログラム3 症例検討 第1症例
新年度より第1症例の司会は画像評価委員が受け持つ事になり,記念すべき第1回は,小川が担当しました.
今回のテーマは,胃体中部〜下部の後壁でした.初めに,胃の77区域の線の引きかたについての説明がありました.次に,蓮尾が指名され,まず提示されたX線写真の区域描出能が検討されました.背臥位正面像では簡単に区域を引く事が出来たが,第1斜位,第2斜位像では小彎,大彎線の位置が判りにくく苦労していました.理由としては胃角と食道入口部の位置が特定出来なかったようです.粘膜描出能については,殆どが3点で一部2点,4点の部位があり粘膜描出能はおおむね良好ではあるが病変を指摘するのは困難でした.しかし,次年度の写真では,はっきりと病変が写っており容易に指摘することができました.いつも言われる事ですが,綺麗な写真よりも病変を写す写真が必要だと痛感しました.
症例写真は <こちら> から.
プログラム4 レクチャー「前壁撮影の完璧マスター」
今回のプログラム中で最も興味のあった井上のレクチャーです.
ワクワクしながら観ていると,いきなり映し出されたスライドは,洋ランの花,花です.井上の趣味の一つがランの栽培であると以前聞いたことがあったが,まことに見事な花々である,しかし井上の言うにはランを栽培するのは非常に難しく,水,肥料,気温等に細心の注意をはらわねばならず,それは胃透視の撮影にも通じるものがあるとの言葉に,確かにそうだなと妙に納得してしまいました.
本題に入り,前壁撮影は慣れてしまえば後壁撮影よりも簡単だ,井上が言うと,またまたそうだなと思ってしまうから不思議です.しかし実際には,圧迫用の枕も数種類試作し,頭低位の角度,胃形により撮影法を変える等を繰り返し,試行錯誤の末現在の撮影法が確立されたであろうことは容易に想像がつく,それをいかにも簡単に出来ると言ってしまうところが井上らしいところです.只,時間的制約のために最後の症例写真の説明部分が飛び飛びになってしまったのは非常に残念でした.是非もう一度,じっくりと聞きたいものです.
詳しい内容は, <こちら> を御覧下さい.
プログラム5 症例検討 第2症例
増田の司会による症例検討です.
レポート担当も増田が担当しました.
詳しくは6月度症例レポートを御覧下さい.
症例写真は <こちら> から