消化管撮影技術バックナンバー一覧(No.15〜30)


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No.15
1997.9

■症例記録■
レポーター 深津クリニック 坂本浩志
0(IIc+IIb)se,tub2,ow(-),aw(-)
肉眼型が表層拡大型胃癌の形態を呈し,深達度Mと読影されたが,病理組織学的にはseの進行癌。

■見聞録■
「西俣先生の特別講演を拝聴して」 塩田クリニック 西戸伸之
胃癌形態的診断学は,未完成である。エックス線検査と内視鏡検査は車の両輪である」から始まったすばらしい御講演。噴門部早期癌を中心に解剖,撮影法から読影まで内容豊富。噴門部に自信のない方は必読です。

■リレー講座■
「前庭部大彎の撮影法」 藤田胃腸科病院 本田幹雄
 蠕動や輪状筋,多臓器の影響を受け易い前庭部大彎の撮影法について,多くの症例を掲げ,詳しく解説しています。撮影中の注意点から,空気量など細部にわたる説明も多く初心者には特に役立ちます。

■撮影のウソ?ホント!■
「バリウムはどこに?−胃模型の作成−」 田中病院 鎌田隆嗣
目的部位へのバリウムの移動には,胃の立体構築が必要です。胃模型を作成し,実際にバリウムの流れを見ることは,上達の近道。「百聞は一見にしかず」です。

■ちょっとQ&A■
「DR装置アバタとエクボ」 府中病院 寺田和博
最近,集団検診等で消化器撮影の分野にも取り入れられつつあるDR装置。そのメリット,デメリットをもう一度整理しておきませんか。消化管撮影装置としてDRを選択肢にされる施設の方には御一読の価値あり。


No.16
1998.3
■症例記録■
レポーター 貴生病院 永渕孝文
0(IIc)se,por2,INFβ,ly2,v2,n1,ow(-),aw(-)
胃角部〜幽門部にかけて前後壁を跨ぐ陥凹性病変。病変範囲の同定と深達度診断が問題となりました。この2点に加え,撮影法についても詳しい考察がなされています。

■見聞録■
「花房先生の特別講演を拝聴して」 貴生病院 岩瀬純教
講師の花房先生が4年間を費やし確立された前壁撮影法を紹介。バリウム・空気量・  枕・撮影体位の4つのファクターがポイント。これらのポイントを解説しています。前壁撮影に自信のない方は御一読の価値ありです

■リレー講座■
「シェーマの書き方」 和田病院 田中幸一
単なる病変部のスケッチにとどまらず,描きながら部位や大きさ,特徴などを理解できるようなシェーマの書き方をマスターしましょう。

■撮影法のウソ?ホント!■
「バリウムはどこに?−胃模型の応用−」 田中病院 鎌田隆嗣
作成した胃模型を使うと外観や内腔のイメージを得ることや,検査の行程でバリウムがどのように流れるかを容易に理解することができます。一度作成されて,読影の際にお役立てください!

■なんでもQ&A■
淀川キリスト教病院 吉本勝,塩田クリニック 西戸伸之,大同生命大阪診療所 増田雅史
C,M,Aそれぞれの領域の撮影法,瀑状胃の撮影法,漂流法,術後胃の撮影法,病理の基礎などを初学者の方にも解り易く解説しています。撮影のコツを具体的に紹介しているので,日常検査のレベルアップに役立ちます。 


No.17
1998.9
■症例記録■
レポーター 深津クリニック 坂本浩志
0 IIc+III sm,tub1,INFγ,ly0,v0,ow(-),aw(-)
胃角〜前庭部,前壁中央〜小彎に見られる陥凹性の早期胃癌。病変の立体的な構築が困難な症例。X線写真で陥凹の辺縁が不明瞭であった原因を,プレパラート検鏡の結果からフィードバックし丁寧に考察しています。より正確な読影には,病理組織への振り返りが不可欠であるという教訓的症例です。

■リレー講座■
「続・シェーマの書き方」 和田病院 田中幸一
病変を形づくっている線を注意深く観察しスケッチすることは,部位の把握と肉眼形態の構築に役立ちます。

■撮影のウソ?ホント!■
「食道造影に高濃度低粘性バリウムは適しているか?」 深津クリニック 坂本浩志
一般に食道撮影には高濃度低粘性バリウムが良いとされていますが,その理由を粘膜描出能の客観的評価によって検証しています。また,撮影管電圧についても,管電圧‐濃度分解能特性の比較により80〜90kvより100kvのほうが優れていることを客観的に検証しています。


No.18
1999.3
■症例記録■
レポーター 貴生病院 永渕孝文
陥凹の周りに2型進行癌を思わせる目立った環状隆起があり,且つ硬さが感じられませんでした。会場では,meduiiary typeの早期癌,進行癌,悪性リンパ腫などの意見が出ましたが,結果は良性潰瘍でした。見た目の派手な特徴にとらわれず常に丁寧な読影が必要であることを再確認させられた症例でした。

■見聞録■
「江頭先生の特別講演を拝聴して」 府中病院 寺田和博
江頭由太郎先生による「隆起性病変の基礎病理」と「陥凹性病変のX線所見と病理所見の対比」という2つのご講演を要約。隆起性病変は良悪性の鑑別,陥凹性病変は,なぜ分化と未分化を区別して考える必要があるかなどを基本から詳しく説明いただきました。

■撮影法のウソ?ホント! ■
「山と谷?−視点を変えて−」
田中病院 鎌田隆嗣
X線写真は投影像であるため,正面像だけでは高低差を完全に把握できません。従って,病変を正確に読影するには,2方向からの情報が必要です。このコーナーでは,マクロ像を2方向から観察することにより,X線写真上で山と谷にしか見えていない病変が実際にどのような構造になっているかを確認します。過去に撮影した「山と谷」が実際にはこんな顔をしていたのかという驚きを感じるとともに,次回より肉眼像をイメージしてX線検査にあたれることと思います。


No.19
1999.9
■症例記録■
レポーター みどり健康管理センター 山田淳子
5 se,por2>sig,INFγ,ly0,v0,ow(-),aw(-),n(-)
粘膜下腫瘍の形態を呈した進行癌で,非常にまれな症例。充盈像では硬化所見を呈しながら,他方二重造影像ではなだらかな隆起に囲まれた良性様の潰瘍を認めました。例会でも良悪性の意見が分かれました。

■見聞録■
「浜田先生の特別講演を拝聴して」 和田病院 田中幸一
浜田先生は「全員参加の症例検討形式」での御講演でした。そして,それぞれの症例の読影時のポイントを詳しく教えていただきました。特に,隆起病変については上皮性,非上皮性を鑑別することの重要性,陥凹性病変についてはスキルス胃癌についての内容です。

■リレー講座■
「続々・シェーマの描き方」 田中病院 鎌田隆嗣
本号ではシェーマを描いていく手法を説明しています。鉛筆でのタッチや塗りつぶしの技法,濃淡のつけ方,キーフィルムの見つけ方等,実際に描く段階での注意点を解説しています。

■撮影法のウソ?ホント!■
「病変さん住所どこ?」 淀川キリスト教病院 吉本勝
胃はローリングによって胃軸がねじれるため,病変の位置を正確に指摘するのが困難な場合があります。また,病変が噴門部や体上部の後壁に存在する場合,噴門との距離が写真によって異なって見えたりします。これらの理由や,正しい撮影・読影法について,3つの症例を挙げて解説します。


No.20
2000.3

■症例記録■
レポーター 大阪市立弘済院付属病院 西村和彦
 f Type0 IIc(+IIb)sm2, 2.5×2cm, sig>por2,ly0,vo,infγ,sci,n(-)
胃体下部前壁小彎寄りに存在する陥凹性早期胃癌.中心部に浅い陥凹が存在し,その周辺に粘膜不整が見られましたが境界は追いづらく,深達度,組織型などで意見がわかれました.江頭先生による病理の解説もあり内容のこい症例検討でした. 

■見聞録■
「多田先生の特別講演を拝聴して」 府中病院 寺田和博
 “X線診断と内視鏡診断は消化管検査の両輪”と言われながらも,今日の内視鏡偏重の原因はX線検査に携わる者の姿勢にもあるのではないかとのご指摘も.今後X線検査に求めれられることは何かを具体的にお話いただきました.

■リレー講座■
ルーチン撮影法と画像評価
 みどり健康管理センター 板谷充子
 深津クリニック 坂本浩志
両施設のルーチン撮影法で撮影した写真を画像評価している.撮影手技や注意事項など詳細に解説され,各施設の特徴を客観的に見ることができます.

■撮影法のウソ?ホント!■
「私の旋毛(つむじ)は左巻き  貴生病院 岩瀬純教
 小彎線バリウムがより付着するのは右回りか左回りかという疑問をきっかけに体が回転する際に胃がどのように変形しているかまた,バリウムがどのように流れるかを写真とストマップにより詳細に説明しています.

■小川利政のワンポイント道場 1.充盈像■
アムスニュオータニクリニック 小川利政
立位・腹臥位充盈像について,それらの利点,欠点,撮影手技,描出区域などの総論.当研究会相談役である小川利政氏の秘伝?をここに公開!


No.21
2000.9

■症例記録1■
レポーター 田中病院 鎌田隆嗣
 f Type0 IIc+III,T1(SM),tub2>tub1,INFβ,ly3,V1,n(+):2/38
 胃角部後壁小彎よりに存在する周囲に隆起を伴う陥凹性病変.隆起成分の取扱いと深達度の読影で意見が分かれました.撮影法についてもよく考察されています.

■症例記録2■
レポーター 松浦診療所 米谷孝史
f Type3,T2(SS),INFγ,ly0,v0,n0,PM(-),DM(-)
胃体下部後壁小彎よりを病変の中心とする,7×6cm大の襞集中を伴う陥凹性病変.陥凹辺縁の粗大結節隆起や陥凹底内の山田・型隆起,消化性潰瘍の影響による浮腫や炎症など様々な所見が見られましたが,それらを総合できる読影力が要求されました.

■見聞録■
「加藤先生の特別講演を拝聴して」
 大阪府済生会泉南病院健康管理センター 高井正史
東京都立駒込病院の加藤久人先生に“表在型食道癌の描出と読影法”について御講演いただきました.どのような所見をもって異常と判断するか,またそのような所見を描出するための注意点(伸展度,バリウム濃度等)についてお話されました.また精密検査の「経管法」については,他ではなかなか聞くことのできない内容でした.

■リレー講座■
ルーチン撮影法と画像評価 
 府中病院 婦木祐市
 大阪がん予防検診センター 蓮尾智之
府中病院ではルーチン検査を行う際に会話,前壁,透視,圧迫の4つの項目にこだわった撮影をこころがけておられるそうです.大阪がん予防検診センターからは間接のルーチン撮影法として独自の7枚法が紹介されています.

■撮影法のウソ?ホント!■
 田中病院 鎌田隆嗣
病変をよく描出するためには病変を下方壁に位置させ,天板に対して水平にし,バリウムを漂わせることがコツである.このことをファントムを用い丁寧に解説しています.

■簡単にできる胃模型の作成■
 サトウ病院 井上 啓二
針金とコンドームをつかって簡単に胃の模型を作成する方法を紹介しています.横胃,瀑状胃などの胃型も作成できます.

■小川利政のワンポイント道場 2.二重造影像■
 アムスニューオータニクリニック  小川 利政
二重造影の撮影法について「ワンポイント」の域を越えて解説されています.概論に始まり,X線写真,ストマップによる描出区域表示,患者体位の写真を掲げた個別の撮影法解説にまでいたっています.


No.22
2001.3

■症例記録■
 レポーター 貝塚西出クリニック 南 清隆
f Type 0 IIa+IIc,T1(SM),tub2
前庭部前壁小彎よりに存在する隆起+陥凹性病変で,悪性リンパ腫,早期癌,2型進行癌,平滑筋肉腫,転移性腫瘍など多くの意見が出されました.
考察にはそれぞれの病変の特徴や鑑別についてまとめられています

■見聞録■
 石渡先生・木村先生の特別講演を拝聴して
 大阪がん予防検診センター  蓮尾 智之
 神奈川県労働衛生福祉協会の石渡良徳先生と,労働医学研究会検診部中央本部の木村俊雄先生をお迎えし,ご講演いただきました.石渡先生は,胃がん検診専門技師認定制度の発端と必要性,意義についてお話され,木村先生は胃がん検診において,いかにして短時間で胃の全域を撮影するかについてお話いただきました.それは高濃度バリウムの使用,X線装置の高精度化,バリウム付着を意識した体位変換等により実現しているとのことでした.先生方の情熱が感じられた特別講演でした.

■ルーチン撮影と画像評価5■
 大阪府済生会泉南病院 健康管理センター 高井 正史
  検査前日に,既受診の受診者の前回フィルムを必ずチェックし,的をえた撮影を行うようにしているそうです.標準的な撮影法に近いが,写真に描出されにくい部位は必ず透視下でバリウムの流れを確認するなどいくつかの工夫が盛り込まれています.

■ルーチン撮影と画像評価6■
 サトウ病院  井上 啓二
 病変が存在すれば,それがどのような形態の病変かを忠実に描出することと,病変が存在しない場合には病変がないと言い切れる写真を撮ることをこころがけているそうです.そのために胃の全域を描出できる工夫がなされています.長胃と横胃の二通りのルーチンがあることや,空気少量二重造影法がルーチンに組込まれていることなどで,横胃の場合でも幽門前部や前庭部の病変を見逃さないようにしています

■撮影法のウソ?ホント! 高濃度バリウムってなーに■
 大阪がん予防検診センター 久保 次男
 高濃度バリウムの定義,胃の内容量(胃液の量)による濃度の変化,バリウムの粒子の話,バリウム濃度と粘度,等についてQ&A形式で解説しています.難しい文献は苦手と思われる方にもわかりやすい内容です.高濃度バリウムの導入を検討されている方にもお勧めです.

■読影のABC■
 府中病院 寺田 和博
 例会で大好評の,寺田幹事による「読影のABC」の誌上講座です.消化管読影を始められる方へ是非お勧めしたい内容です.病変の読影を,数,部位,形,など10項目に分け,それぞれの項目はなぜ必要であるか,また,どのような所見を読まなければならないか,など読影に関する総論を易しく解説されています.

■小川利政のワンポイント道場 3.圧迫像■
 アムスニューオータニクリニック  小川 利政
 圧迫法の概論から原理,撮影手順,利点,欠点などを解説しています.圧迫の強弱によって描出区域が異なることや,部位によっては二重造影像で異常が認められなくても圧迫法によって描出されることが多いことなど,豊富な経験に裏打ちされた貴重なアドバイスもあります.

■特集 短期集中講座■
 貴生病院 岩瀬 純教

■短期集中講座に参加して■
 医真会 八尾総合病院  清水 渉

■Communication Board■
研究会紹介 三重県北勢消化器画像研究会
 医療法人尚豊会築港診療所 総合健康管理センター
 産業保健課 放射線室 西川 孝

■広場 北海道札幌紀行■
 大阪市立弘済院付属病院 西村 和彦

■会員寄稿 私の胃透視検査時の注意点■
 サトウ病院 桑江 郁夫


No.23
2001.9

■症例記録1■
レポーター 松浦診療所 米谷孝史
fType0 IIc+IIa+I+IIb,T1(SM2)表層拡大型
tub1+tub2+por INFβ,ly2,v0,n0,PM(-),DM(-)
穹窿部〜前庭部小彎を中心とする前後壁に跨る表層拡大型胃癌で範囲,形態,深達度で意見が分かれました.マクロや内視鏡像については江頭先生の解説をいただきました.

■症例記録2■
レポータ 淀川キリスト教病院  吉本 勝
S状結腸 環周率100% 4.0×5.5cm 2型
  深達度SS,tub2,INFβ,ly1,v1,n1
肝湾曲部 環周率38% 3.5×1.4cm 2型
  深達度SS,tub2,INFβ,ly1,v0,n0

当研究会で数少ない大腸癌の症例.S状結腸と肝彎曲部に存在した2型の進行癌.存在の指摘は比較的容易でしたが,詳細な解析は困難な症例でした.江頭先生,西下先生のコメントもあり,最後には森永による彎曲部の側面変形の読み方等についてのショートレクチャーもありました.

■見聞録 「安田先生の特別講演を拝聴して」■
   和田病院 田中 幸一
日常,我々が見る機会の少ない超音波内視鏡(EUS)についての講演をいただきました.EUSの有用性や弱点,基本的な読影法について,安田先生のお話を丁寧にまとめています.最良の入門書となるのではないでしょうか.

■ルーチン撮影法と画像評価(7)■
   アムスニューオータニクリニック 井上清輝
時間と枚数の制約のもと遠隔操作で確実に病変を拾い上げるために,透視方法を工夫した撮影法です.簡単に言うと「目的部位にバリウムを溜め,そのバリウムをゆっくり抜く」という作業を繰り返す方法であるが,その具体的な手技が紹介されています.

■ルーチン撮影法と画像評価(8)■
   湯川研一消化器クリニック 柏木 秀樹
全例近接撮影で,全区域を描出できる写真を撮ることを重要視した撮影法です.そのため病変の有無や胃型によって撮影順序,発泡剤量などを変化させています.

■誌上講座 「GIST」ってなぁに?■
   淀川キリスト教病院  吉本 勝
表題のとおりGISTとは何かという内容です.文献で調べると極めて難しくなりそうですが,ここではいくらか理解しやすくまとめられています.「GISTとはSMTの新しい概念です」と言える方の,次ステップの講座です.

■撮影法のウソ?ホント! 「質より量」■
   田中病院 鎌田 隆嗣
胃X線検査の目的は受検者個々によって異なるので,投与する造影剤(陽性・陰性)の量も変化させてもよいのではないでしょうか?
造影剤(バリウム・空気)量を変化させた写真を見比べると,同一の体位であるにもかかわらず病変の描出能が全く異なり,その重要性が理解できます.

■写真に区画の線が入っていれば−胃区域・針金模型の開発■
   医祐会伊藤クリニック 森永 宗史
当研究会の画像評価委員の森永技師が開発した,胃針金模型の作成方法とその有用性についてまとめられています.胃の立体構造が理解しにくいと思われる方や描出区域の同定が難しいと思われている方は是非この模型を作成されることをお勧めします.描出区域が一目瞭然ですよ.

■小川利政のワンポイント道場 薄層像■
目的部位にバリウムを薄く漂わせる撮影法で病変の拾い上げには有効な撮影法です.詳細な手技を文章で表現するのは非常に困難ですが,できる限りわかり易く説明されていると思います.本シリーズの完結篇となりました.


No.24
2002.2

■症例記録1 レポーター■
  和田病院 田中幸一
poorly differentiated adenocarcinoma PM(-),DM(-),ly0,v0,SM2
一部P-ringを越えてduodenum浸潤あり.幽門前部,P-ringを中心にほとんど全周性に存在する未分化型IIc胃癌の症例.読影だけでなく撮影や組織学的にも勉強になった症例でした.江頭先生の解説もあり,考察も読みごたえ十分です.

■症例記録2 レポーター■
  大阪がん予防検診センター  池宮城 光哉
f Type 0 IIc + III,T1(SM),por,infβ,ly1,v0
IIc単独の病変であれば比較的典型例にちかい症例でしたが本症例は深い潰瘍(III)とそれに集中するfoldがあったために深達度の読影を困難にした症例でした.読影と撮影の両方について詳しく考察されています.

■見聞録 「岡村先生の特別講演を拝聴して」■
  和田病院 田中幸一
大腸癌をPG(polypoid growth)癌とNPG(non-polypoid growth)癌に分類し,病変の大きさ,中央部の所見,バリウムの付着異常,側面変形の程度などの所見を考え合わせることによって,ほぼ正確に深達度診断ができるという岡村先生の読影法をお話いただきました.一読の価値ありです.

■誌上講座 「内視鏡のいろは」■
  池島クリニック院長 池島 重太
以前の特別講演で御講演いただき好評であった池島先生の誌上講座です.今回は,我々が内視鏡にとっつきにくい一番の理由である「位置の同定が困難」という問題を解消できる内容です.たくさんの内視鏡写真を見ながら少しずつ覚えていきましょう.

■ルーチン撮影法と画像評価(9)■
  住友生命総合検診システム  峯山和之
受診者の不安や緊張を緩和させ,検査への理解と協力を得るよう努力しているそうです.例えば,体位変換を行う際には必ず「今から何をするか」を説明し,上手くできないようならすぐに撮影室に入り介助するようにしています.ゲップのでやすい人は後壁から撮影したりバリウムが飲みにくい人は発泡剤をバリウムの後で投与するなど受診者が楽に検査を受けれるよう工夫がなされています.

■ルーチン撮影法と画像評価(10)■
  藤田胃腸科病院 本田幹雄
「撮影の上手い人の撮影法をそのまま真似ても自分のテンポ・リズムに合わなければ失敗に終わる.結局自分で考えるしかない」という本田会長のこだわる撮影法は,フルターンをしない,空気は先行しないなどいろいろ.内視鏡が苦手とするスキルスを絶対に見落とさないため充盈像は4枚撮影するとのことです.

■撮影法のウソ?ホント!「量より質」■
  田中病院 鎌田隆嗣
スクリーニング検査はあくまでも胃の全区域を描出しなければなりません.一見,描出範囲が広く良質な写真と思われてもよく見ると部分的に描出されていない区域がある場合があります.ここで掲載されている8枚の前壁二重造影像は少しずつ異なった体位で撮影されているにもかかわらず病変を容易に指摘できる写真はありません.また,同じ胃にバリウム濃度や胃内粘液量を変えて撮影した写真で病変描出能を比較して,造影剤を適切に使用し質の高い検査を行う必要性について述べています.


No.25
2002.9

■症例記録1 レポーター■
 アムスニューオータニクリニック 長田孝紀
f Type 5 T4(SI),N2,H0,P1
 他施設において体中部後大彎よりのIIc病変を発見できず,その一年後に5型のlinitis plastica型癌となっていた衝撃的な症例.なぜ一年前に見逃されたのか,なぜ一年後にこれだけ進行したのか,原発巣はどこなのか,等について考察されています.

■見聞録 「白神伸之先生の特別講演を拝聴して」■
 大阪府済生会 高井正史
 国家公務員共済組合連合会立川病院放射線科の白神伸之先生に「消化管のバーチャルエンドスコピー」についてご講演いただきました.バーチャルエンドスコピーによる画像診断の特徴,利点,欠点、また実際の前処置,撮影法等の講演内容が総合的にまとめられています.白神先生のCT診断にかける情熱が感じられ,内容はデジタルや3D等のお話が苦手な方にも解りやすいと思います.

■誌上講座 「消化管検査における手話」■
 住友生命総合検診システム 峯山和之  皆さんは聴覚に障害をもつ患者さんを撮影する場合,十分なコミュニケーションができていますか?本講座では聴覚障害の基礎から,コミュニケーションの方法,消化管検査における手話などを紹介しています.他にはない講座でもあり是非ご一読をお勧めいたします.

■撮影法のウソ?ホント!「読影トレーニング」■
 和田病院 田中幸一・淀川キリスト教病院 吉本勝
 10枚の写真から病変読影の練習をしていただく講座です.上級者の田中・吉本幹事らが詳しく解説しているので,じっくり読影してみましょう!

■Q&A「集団検診で充盈像を廃止するって本当ですか?」■
 大阪がん予防検診センター 蓮尾智之
 日本消化器集団検診学会で検討されている,新たな間接ルーチン撮影法について書かれています.高濃度(200%前後)低粘性バリウムの普及により検診における撮影法も再検討され,なかでも充盈像を標準撮影に含めるか否かは意見が分かれているようです.

■本田幹雄のワンポイント道場 「2.陥凹性病変の読影」■
 藤田胃腸科病院 本田幹雄
 陥凹性病変を読影する手順を「読影のABC」に沿って解説しています.各項目に理論的な読影法が付され,読みごたえ十分です.また,きれいなシェーマを示し病変スケッチの重要性についても述べられています.

■Communication Board ■
 平和台病院 日高一浩
 今回は宮崎県で活動されている,宮崎消化管学術研究会の日高一浩氏よりご投稿いただき,会についてご紹介いただきました.

■触覚 「自問」■

■会員寄稿「怖い眼」■
 今回は,大阪府済生会新泉南病院の岩崎光博氏よりご寄稿いただきました.


No.26
2003.3
200回記念
特集号

■症例記録1 レポーター■
 植木病院 丹羽大輔
f Type 5 T4(SI),P1,H0,N2
 残胃の小弯〜後壁に1型の進行癌とIIc型の進行がんが存在した.これらが一連の病変かどうかが検討され、ベテランのあいだでも意見が分かれた.考察は残胃癌の概念・定義・分類や発生の要因など概論的な解説から撮影における注意点まで詳しく解説され,症例レポートの考察というよりは残胃に関しての解説書のようにまとめられている.

■特集I 例会開催200回記念「浜田先生の記念講演を拝聴して」■
 例会開催200回を記念して社会保険中央総合病院の浜田勉先生に内視鏡的切除術(EMR)の現状についてご講演いただいた.EMRは著しく進歩し適応範囲を広げている.しかしEMR適応になるか否かの判断に大きく影響を与えるのがX線検査による深達度診断である.深達度を正確に読影できる写真の重要性を再認識できた.
 200回記念寄稿は,はるばる関東から例会に御参加いただいた東京医科大学霞ヶ浦病院の鶴田恭央先生から激励のお言葉を頂戴した.鶴田先生の力強いお言葉に消化管検査に対する情熱が感じられた
.  大阪からは井上啓二氏と,長年幹事を務められた小林秀穂監査からそれぞれの思いを寄せていただいた.

■見聞録 「山崎秀男先生の特別講演を拝聴して」■
 和田病院 田中幸一
  3月の特別講演は,大阪がん予防検診センターの山崎秀男先生にご講演いただいた.撮影技師が透視下でバリウムの流れをよく観察し,病変を写し出す努力をすればX線検査でも内視鏡に劣らない精度で癌を発見できる.また間接撮影でもある程度の質的診断が可能なことを自施設のデータや経験を基にお話いただいた.

■2002年度レクチャー紹介■
 一年間のレクチャーのダイジェスト版.8月の新井敏子先生(社会保険群馬総合病院)による「消化管撮影と放射線被爆」と,11月には腰塚慎二先生(埼玉県立がんセンター)による「残胃の撮影法」は大阪ではなかなか聞くことのできない貴重なレクチャーであった.

■本田幹雄のワンポイント道場 「3.深達度の読影」■
 藤田胃腸科病院 本田幹雄
 隆起型,隆起+陥凹型,陥凹型それぞれ,特徴と読影のポイントについて.IIa+IIc型早期胃癌と2型進行癌の鑑別は症例を提示し解説している.

■特集II 「第10回研修会」■
 住友生命総合検診システム 峯山和之  11月2日〜3日にかけて行われた研修会のもようを小林秀穂監査が総括として紹介している.
奈良県立医科大学腫瘍放射線科の松尾祥弘先生に「陥凹性病変のX線診断」についてご講演いただいた.良性潰瘍,胃癌,胃癌と潰瘍(悪性サイクル)など基本的な内容から組織まで幅広い内容がまとめられている.また,遠方より御参加いただいた方々からは研修会の感想を寄稿していただいた.
奈良健康づくり財団:朝日和也氏,社会保険北海道健康管理センター:加藤沙織氏,富山市医師会健康管理センター:松原千亜紀氏・杉瀬由恵氏,九州厚生年金病院:川崎直正氏.

■撮影法のウソ?ホント!「読影トレーニング」■
 和田病院 田中幸一・淀川キリスト教病院 吉本勝
 10枚の写真から病変読影の練習をしていただく講座です.上級者の田中・吉本幹事らが詳しく解説しているので,じっくり読影してみましょう!

■Step up 「あなたはどう読む」■
 今回からの企画です.提示されている写真を読影して,回答を読影フォームに記入して下さい.解答は次号またはホームページ上に発表の予定です.

■Communication Board ■
 研究会紹介として海上ビル診療所の浅田栄一先生に「本郷 馬場塾」のご紹介をいただいている.
最良のX線写真を撮ることを目的に活動されている.X線写真や内視鏡像だけで症例検討を行うのではなく,組織標本と肉眼形態を一対一の対応付けを行われているなど,活動内容が細かく紹介されている.

■会員寄稿■
 「熱い想いは・・?」 淀川キリスト教病院 中川健哉氏
 「私にとっての消化管検査」 早期胃がん検診協会 北川まゆみ氏


No.27
2003.9

■症例記録1 レポーター■
 松浦診療所 三宅祐貴
 f Type 0 IIc T1(M),sig>por,ly0,v0,UI-IIs,60×33mm
 胃角部後壁中央から大彎にかけて,短軸方向に長い約60×30mmの不整形な陥凹性病変.陥凹は二段になっており,深い陥凹の周りに多数の顆粒が認められましたが,強い圧迫像には一部に抜けが残り深達度の読影が困難でした.江頭先生・西下先生の解説があり,考察も悪性の所見や深達度について詳しくまとめられています.

■見聞録 芳野純治先生の特別講演を拝聴して■
 和田病院 田中幸一
 平成15年度8月の特別講演は,藤田保健衛生大学の芳野純治先生に内視鏡読影法についてのご講演.X線・内視鏡それぞれの利点,読み方の違いや,内視鏡像において,隆起,わずかな陥凹,深い陥凹,隆起+陥凹などの所見を認めた場合にどのような病変を疑うかなど基本的かつ実践的な内視鏡読影のポイントをお話いただきました.

■撮影法のウソ?ホント!「あなたは何をうつしますか?」■
 田中病院 鎌田隆嗣
  胃部X線撮影では受検者の胃の様子を写します.胃の様子とは形・形状で,正常か異常かを判断できるように撮影することが重要です.6つの症例を示し,それぞれ効果的な撮影を紹介しています.

■施設訪問記  藤田胃腸科病院■
 済生会新泉南病院 高井正史
  今回からスタートした施設訪問記です.各施設における放射線科の環境や,使用機器,検査手順などを会長が訪問しレポートします.今回は初企画のスタートということもあり,先ずは本田会長の勤務先である藤田胃腸科病院を訪問しようということで,高井幹事が訪問レポートを担当しました.次回からは本田会長自らが訪問する予定です.

■2003年度レクチャ紹介■
 大阪がん予防検診センター 蓮尾智之
  2003年上半期のレクチャ&ディスカッションを紹介している.4月の「聴覚障害者とのコミュニケーション」に始まり,5月以降は日本消化器集団検診学会の胃X線標準撮影法を,毎月,一体位ずつディスカッションを行いました.

■Q&A バリウム選びのコツ■
 大阪がん予防検診センター 久保次男
 検査の目的別で使い分けているバリウムについて,その特徴をまとめています.また,混合使用する場合の粒度分布について,初心者にも解りやすく解説しています.

■触覚  「95パーセントの安全」■
 人は完全ではないから誰もがミスをする.だからこそフォローできる体制やシステムの構築も併せて撮影者の責任なのかもしれない・・.フィクションの中に日常の自分を見ているような気がするのは私だけでしょうか.

■アンケート結果と回答■
 例会において配布したアンケートの結果を掲載しています.会員の皆様のニーズが伺われ,今後の会運営の指標とさせていただきます

■Communication Board ■
 福井県消化管撮影研究会 木村一男氏
 福井県消化管撮影研究会は平成5年より発足され,初心者からベテランの先生方まで精力的に活動されているとのことです.2ヶ月に1度,20〜30名の会員が夕刻より21時過ぎまで勉強されるとのこと.今後とも宜しく御指導のほどお願い致します.

■Step up 「あなたはどう読む」■
 今回からの企画です.提示されている写真を読影して,回答を読影フォームに記入して下さい.解答は次号またはホームページ上に発表の予定です.

■会員寄稿■
 「研究会に参加して」 東京勤労者医療会 東葛病院 安藤健一氏
 「消化管撮影のアメとムチ」 生長会 府中病院 井上香里氏


No.28
2004.3

■症例記録1 12月例会レポーター■
 大阪がん予防検診センター 三浦一利
 Adenocarcinoma mucocellulare (Por)  f Type 0 IIb+IIc T1(M),30×20mm,PM(-),DM(-),ly0,v0
 本症例は鹿児島県の南風病院から特別に提出して頂いたDRフィルム.病変は非常に微細であり読影が難しい.考察では,IIbについて,こと細かくまとめられています.また,胃体部における微細の病変を描出するための撮影法にも詳しくまとめられています.

■症例記録2 10月例会レポーター■
 植木病院 丹羽大輔
 f Type 3 SS,poorly differentiated adenocarcinoma,30×27mm,infr,ly2,v2
 Ulcer scar at M,UL-IIIS
 穹窿部前壁に存在する隆起+陥凹性病変.会場全員が進行癌と読影.しかし,食道に浸潤しているかどうかは意見が分かれた症例であった.考察では,胃癌SM以下深部浸潤のX線所見や右側臥位について詳しくまとめられています.

■見聞録 松川正明先生の特別講演を拝聴して■
 和田病院 田中幸一
 平成16年度2月の特別講演は,昭和大学附属豊洲病院消化器科教授の松川正明先生に「下部消化管造影検査の今後の展望」についてご講演をして頂きました.大腸癌の死亡率は1950年に比べて,1996年には男性で16倍,女性で12倍になってきており,食生活の変化は原因ではないかと最初に話され,下部消化管造影検査の重要性についてお話いただきました.

■ひっすう「硫酸バリウムX線造影剤のこれだけは知っておきたい」■
 大阪がん予防検診センター 久保次男
 今回は,3回シリーズの1回め.硫酸バリウムの基本的なことと,流動性(粘性)について詳しく書かれています.硫酸バリウムの原料,物理化学性状や粘度などについて.

■Q&A「DRシステム導入における画質調整」■
 北海道健康管理センター 高橋伸之
 デジタル処理の利点最大限に発揮することで従来のフィルム画質にない,安定した画質(濃度)を目指すという内容になっています.

■ウソ?ホント? それでも撮影しますか?■
 右廻りフルターンでの背臥位正面二重造影像
 アムスニューオータニクリニック 井上清輝
 本当に背臥位からの右廻りフルターンで撮影した背臥位正面二重造影像には,後壁病変は勿論のこと前壁病変まで描出することができるのであろうか?

■2003年度レクチャー紹介■
 大阪がん予防検診センター 蓮尾智之
  2003年下半期のレクチャーを紹介.10月「胃X線標準撮影法(右側臥位像)」,11月「胃X線標準撮影法(背臥位第二斜位振り分け像)」,12月「胃X線標準撮影法(立位第二斜)」,1月「DRシステムを導入した当施設の現状」,3月「人工肛門の注腸X線検査における自動注腸装置の有用性」.

■施設訪問記  東葛病院(千葉県)■
 藤田胃腸科病院 本田幹雄
 本田会長自らが訪問したのは,千葉で開催された第26回消化管造影技術研修会に参加した翌日,会員の安藤氏が勤務する東葛病院でした.病院の概要や日常業務を紹介しています.お土産は,研究会で使用する症例までお借りしてきました.

■第11回研修会短期■
 総括 松浦診療所 米谷孝史
 2004年2月15日(日)に大阪がん予防検診センターに於いて開催.48名が参加した今回のテーマは,「基礎から学ぼう下部消化管」.大腸模型を作成しそれを活用しながら,講義や症例検討をしました.
 参加記 江草苗実氏,平田昭美氏.
 受講者名簿

■Step up 「あなたはどう読む」■
 提示されている写真を読影して,回答を読影フォームに記入して下さい.解答は次号またはホームページ,次会誌に掲載予定です.  会誌前号のStep upの模範解答を掲載しています.

■広場「第16回日本消化器画像診断情報研究会参加記」■
 サトウ病院 井上啓二
 2004年1月23日に東京厚生年金会館にて開催された第16回日本消化器画像診断情報研究会の参加記です.内容や感想などが書かれています.

■会員寄稿■
 「明日もマーゲンを」 東京勤労者医療会 安丸重雄氏
 ベテランの立場から,豊富な経験を交え消化管に対する思いを述べられています.


No.29
2004.9

■症例記録1 7月例会レポーター■
 植木病院 丹羽 大輔
 f Type 0 IIc T1(SM2),por2,INFr,ly0,v0,N(-)
 胃角部大彎前壁に存在する陥凹性病変で,浅い陥凹の内面に粗大顆粒を含む大小の顆粒状陰影が見られ,辺縁は不整,fold集中があった,考察では,foldの先端や陥凹の内面の悪性所見について詳しくまとめられています.

■症例記録2 6月例会レポーター■
 府中病院 井上香里
 A:f Type 1+2 T2(MP),por,ly2,v1
 B:Tubular adenoma
 C:f Type 0 IIa T1(M),tub2
 ほぼ管腔の全周を占める大きな隆起製病変で,全貌を構築することが困難な症例.この大きな病変に目を奪われ,他2ヶ所に存在した小さな病変を指摘するのには困難であった.考察では,隆起型早期胃癌の診断について詳しくまとめられています.

■見聞録 江頭由太郎先生の特別講演を拝聴して■
 和田病院 田中幸一
 平成16年度8月の特別講演は,大阪医科大学第一病理学教室の助教授である江頭由太郎先生に「基礎から始める消化管の病理」についてご講演をして頂きました.まずは,「潰瘍ができる,びらんが形成される.その理屈が解ればもっとX線の読影力が向上します.」と話され,病理の基礎から講演して頂きました.

■ひっすう「硫酸バリウムX線造影剤のこれだけは知っておきたい」■
 大阪がん予防検診センター 久保次男
 前号に続いて2回目.今回は,バリウム付着について詳しく書かれています.(一部文章抜粋)「バリウムがどの様な過程で胃の粘膜に付着するのか,本当のところは誰にもわかっていない.臨床から得た知見に実験データーを加え,稿をすすめてみたい...略」

■2004年度レクチャー紹介■
 レポート 大阪がん予防検診センター 蓮尾智之
  2004年上半期のレクチャーを紹介.4月「聴力障害者のコミュニケーション」に始まり,5月は「上部消化管造影臨床画像評価法」,6月は「消化管撮影における接遇」,7月は「初級講座(胃疾患の読影手順)」,9月は「初級講座(胃潰瘍・びらん)」.

■学術発表報告「上部消化管造影臨床画像評価法・病変描出能」■
 画像評価委員会
 平成15年度全国放射線技師総合学術大会および第16回日本消化器画像情報研究会の一般演題(第1報・第2報)として発表した内容を掲載.

■施設訪問記  恵仁会 田中病院■
 藤田胃腸科病院 本田幹雄
 今回からスタートした施設訪問記です.各施設における放射線科の環境や,使用機器,検査手順などを会長が訪問しレポートします.今回は初企画のスタートということもあり,先ずは本田会長の勤務先である藤田胃腸科病院を訪問しようということで,高井幹事が訪問レポートを担当しました.次回からは本田会長自らが訪問する予定です.

■Communication Board ■
 三重県北勢消化器画像研究会 芝田正次氏
 第30回記念大会の開催報告を掲載.プラグラムや内容など.

■Step up 「あなたはどう読む」■
 提示されている写真を読影して,回答を読影フォームに記入して下さい.解答は次号またはホームページ,次会誌に掲載予定です.  会誌前号のStep upの模範解答を掲載しています.


■会員寄稿■
 「北の国から...」 札幌簡易保険総合健診センター 杉本芳則
 ネット会員で,月例会(忘年会)には,一度,研修会には2度参加してくださっている杉本氏よりの寄稿です.


No.30
2005.3

■症例記録 12月例会 大腸症例■
 レポーター 井上病院 林 孝治
 結果 膵頭部癌からの転移性腫瘍
 この症例に対しての手術は施行されませんでしたので,詳細な結果はわからないが,前大腸内視鏡検査,造影CT検査の画像から膵頭部癌からの転移性腫瘍と思われる.検討と考察には,「大腸ひだの収束像について」詳しく書かれています.

■2004年度レクチャー紹介■
 レポート 大阪がん予防検診センター 蓮尾智之
 レポート 松浦診療所 三宅祐貴
  2004年下半期のレクチャーを紹介.10月「初級講座(胃陥凹性病変)」に始まり,11月は「初級講座(胃隆起性病変)」,12月は「大腸X線撮影法」,1月は「機器の精度管理と画質の関係」,3月は「初級講座(進行胃癌・早期胃癌)」.

■施設訪問記  みどり健康管理センター■
  藤田胃腸科病院 本田幹雄
  本田会長による最後の施設訪問記は,板谷新会長の施設,みどり健康管理センターでした.昭和47年に開設された施設健診の草分け的な存在.日常の業務内容の紹介やスタッフ,施設の概観,きれいな待合等の画像が掲載されています.

■Communication Board ■
 第18回日本消化器画像診断情報研究会 三重大会のご紹介 
 今回は,四日市健診クリニックの西川孝氏よりのご紹介です.
 平成18年2月11日(土)〜12日(日)に四日市市文化会館で開催されます.テーマは.「次世代に繋ぐ消化器診断への情熱」です.内容豊富なプログラムを紹介しています.

■第12回研修会■
 平成16年10月9日(土)〜10日(日)コスモスクエア国際交流センターにて開催されて研修会の様子を紹介.参加者は39名で北海道をはじめ全国から集まりました.
 今回のメインは,手のひらサイズの胃針金模型の作成.全員が作成することができ,早速次の日から,講義や症例検討に模型を活用できました.総括に加えて,研修模様の画像や受講者名簿,また,参加者からの参加記を掲載しています.

■Step up 「あなたはどう読む」■
 会誌前号のStep upの模範解答を掲載しています.
提示されている写真を読影して,回答を読影フォームに記入して下さい.解答は次号またはホームページ,次会誌に掲載予定です.

(コメント: 蓮尾 智之)

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